消化器内科
大腸がんとは大腸にできる悪性腫瘍です。大腸は盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなっています(図1)。
大腸がんの好発部位はS状結腸と直腸です。また、食生活の欧米化などにより増加傾向にあるといわれています。今後も大腸がんが増え続けることが予想されています。
大腸がんになる人はがん患者さんのなかでは男性で2位、女性で2位、全体で1位、死亡数でも男性で2位、女性で1位、全体で1位とがんのなかでも頻度の高い病気です。大体、10人に1人は大腸がんになり、30人に1人は大腸がんで命を落とします。
いずれのがんにも言えることですが、早く見つけることが重要です。なぜなら、5年生存率(診断されてから5年後の生存率)で比べると、一部分に限局している大腸がんの5年生存率は97.3%、他の臓器へ転移してしまった大腸がんの5年生存率は17.3%と大きく差があるからです。40歳代から増加し、年を重ねる毎にその患者数は増えていきます。このため、40歳を超えたら一度は大腸カメラを受けることを推奨されています。
早期がんでは症状が出ることはほとんどありません。進行がんでは下記症状がでることがあります。
大腸カメラにて診断されます。大腸粘膜を採取し病理診断を行います。 また、血液検査で腫瘍マーカーを確認することやCTや腹部エコーで病気の広がりの範囲を確認することも重要です。
治療は大腸癌のステージによって選択します。 早期のものであれば、内視鏡的に切除が可能となります。 進行したものであれば、手術や抗がん剤の治療を選択することになります。