消化器内科
肝血管腫は肝臓にできる腫瘍の中で、もっとも多い良性腫瘍です。できる原因は不明ですが、ホルモンの影響で大きくなりやすく、出産回数の多い女性に良くみられます。
症状があることはほとんどありません。 大きくなった時には、右上腹部に圧迫感や腹部膨満感などの症状が出ことがあります。
癌の否定のために検査を行います。腫瘍マーカーを測定し、画像検査(腹部エコー、CT、MRI)を行います。
一方で、腹部エコーだけでは、当て方によって見え方がかわるカメレオンサインと呼ばれる所見があり、経過観察や診断に難渋することもあります。
特に治療の対象とならず、経過観察となることが多いです。良性腫瘍で何も問題がなければ経過観察は必要なのかと考える方もいらっしゃると思います。しかし、腹部症状があったり、 腫瘍の破裂や,腫瘍内出血を呈しているもの、腫瘍が明らかに増大しているものなどは手術を考える必要があります。このため、経過観察を継続していく必要があります。