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慢性すい炎

慢性すい炎とは

慢性すい炎は様々な原因で継続的にすい臓に炎症がおこった結果、線維化(継続的にすい蔵の細胞に傷害が続くとことでかさぶたのようなものができること)をきたす疾患です。病期は、初期(潜在期から代償期)と後期(移行期から非代償期)にわけられます。初期は腹痛はありますがすい機能は温存されています。病期が進行することで腹痛は消失していきますがすい機能は低下していきます。一方で、初期の期間は気が付かず、すい機能が低下してから気が付く方もいらっしゃいます。すい機能が低下すると、消化がうまくできなくなり栄養状態が悪くなったり、糖尿病になったりします。

慢性すい炎の症状

時期によって症状は変わります。

  • 背部痛、腹痛
  • 嘔気、嘔吐
  • 体重減少
  • 倦怠感
  • 黄疸
  • 下痢 
  • 脂肪便
  • 高血糖

診断に必要な検査

血液検査にて炎症の有無、すい酵素の上昇の程度、すい機能の状況、栄養状態を確認します。
また、腹部エコー、CT、MRI、超音波内視鏡で膵石の有無や膵臓の萎縮・脂肪化の具合・すい臓がんの有無を確認します。
慢性すい炎の早期診断は非常に難しいとです。これは、早期慢性すい炎を診断するために超音波内視鏡を行う必要があることも要因の一つとされています。

治療・経過観察について

慢性すい炎には、生活習慣の改善と薬物療法が必要です。状況に応じて、内視鏡治療や手術を検討することもあります。
まず、禁酒や禁煙はどちらも大事です。飲酒や喫煙の継続はそれぞれが慢性すい炎の原因となります。
食事の脂肪制限も腹痛の改善のためにが必要ですが、後期には膵酵素を補充しながらバランスの良い食事をとることも大事です。
薬物治療は痛みに関しては、痛み止めや膵臓の酵素の活性を落ち着かせる薬などを処方します。
また、慢性すい炎はすい蔵がんのリスクともなりえる病気です。10倍程度のリスクと言われ、経過観察が必要です。
また、黄疸などの症状があるときや膵石などができた時には内視鏡治療や手術を検討することもあります。

予防

近年、慢性すい炎の前段階として早期慢性すい炎という概念が提唱されているようになりました。慢性すい炎になるとQOLが著名に下がるため、進行しないために指導を行うようになります。検査の欄でも記載しましたが、早期慢性すい炎は超音波内視鏡でわかる特徴的な画像所見があります。繰り返す心窩部痛や背部痛を認め、検査で特に異常がなく、逆流性食道炎などの治療を行ったにもかかわらず症状の改善の乏しい方は早期慢性すい炎の可能性があります。一度、超音波内視鏡をうけることをお勧めします。