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公開:2025.03.21 医療情報

ノロウイルスの猛威に関して

KARADA内科クリニックの副院長の末谷敬吾です。 今年もノロウイルスが猛威を振るっています。 

長野県では、2025年1月29日に全県に「ノロウイルス食中毒注意報」が発令され、名古屋市では、同年3月3日にノロウイルス「警報」が発令され、愛知県の2025年第10週(3月3日~3月9日)の定点当たり報告数は20.08で、過去10年で3番目に多い状況です。

私達のクリニックがある東京でも2025年第10週(3月3日~3月9日)の定点医療機関当たりの患者報告数は増加傾向にありますし、飲食店でのノロウイルスによる食中毒の報告が散見されます。海外でもノロウイルス感染拡大の報道があり、英国では2025年2月末に新たなノロウイルス株(GII.4)の拡大により、2度目の感染拡大が想像されています。 

ノロウイルスは寒冷や乾燥に強く、特に寒さが厳しい日が多く環境中に生き残りやすいため、冬に流行しやすい感染症です。 

ノロウイルスの予防策

予防策としては、以下があります。

  1. 石けんと流水による手洗いの徹底
  2. 食品の中心部を85~90℃で90秒以上加熱
  3. 次亜塩素酸による消毒

感染の原因となっている1つにスマートフォンをトイレに持ちこむことで、ウイルスが付着し感染の原因となることが知られています。そのため定期的に消毒することが推奨されています。

しかし、スマートフォンの画面をノロウイルスに有効な次亜塩素酸ナトリウムで拭くことは推奨されていません。そこで、除菌するのであれば、2度拭きをお勧めしています。 

1回目の拭きとりは 乾いたペーパータオルやマイクロファイバークロスで汚れを落とす。または、アルコール(70%以上)を含んだ布で一度拭き取ります。 

2回目の拭き取りはアルコールを染み込ませた清潔なクロスやペーパータオルでもう一度拭き、しっかり乾燥させます。 

ポイントは1回目の除菌でウイルスの量を減らすことが重要です。2回目の拭き取りで、表面に残ったウイルスを除去します。 

それよりもお勧めなのは、スマートフォンをトイレに持ち込まないことです。ノロウイルスについては、心配なことがあれば、当クリニックへ受診も是非検討してみてください。 

当院で出来ること 

当院で行っているノロウイルスの診断には、主に以下のような検査方法があります。 

  • 迅速診断キット(イムノクロマト法) 
    • 短時間で結果が出るため、診断の補助に使われます。
    • ただし、ウイルス量が少ない場合は検出感度が低くなることがあります。
  • PCR検査
    • 高精度な検査方法で、少量のウイルスでも検出可能です。
    • ただし、結果がでるのに3日程度の時間を要します。  

保険適用について 

  • 3歳未満の方 
  • 65歳以上の方 
  • 悪性腫瘍の診断が確定している方 
  • 臓器移植後の方 
  • 抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、または免疫抑制効果のある薬剤を投与中の方 

上記以外の方は保険適用外となり、自己負担での検査になります。 

自費診療での実施負担額

①迅速診断キット 4400円(税込) 

②PCR検査 6600円(税込) 

となります。 

自分も牡蠣が好きなので他人ごとではありません。涙 

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KARADA内科クリニック副院長。日本消化器学会専門医として数多くの臓器を専門とし、逆流性食道炎や便秘などの身近な病気から、各臓器のがんの診療に従事。内視鏡検査は胃と大腸カメラをあわせて年間約2,000件の実績。川崎市立多摩病院にて内視鏡センター副センター長、消化器内科病棟長などを歴任し、現職へ至る。

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