消化器内科
KARADA内科クリニックの副院長の末谷敬吾です。 今年もノロウイルスが猛威を振るっています。
長野県では、2025年1月29日に全県に「ノロウイルス食中毒注意報」が発令され、名古屋市では、同年3月3日にノロウイルス「警報」が発令され、愛知県の2025年第10週(3月3日~3月9日)の定点当たり報告数は20.08で、過去10年で3番目に多い状況です。
私達のクリニックがある東京でも2025年第10週(3月3日~3月9日)の定点医療機関当たりの患者報告数は増加傾向にありますし、飲食店でのノロウイルスによる食中毒の報告が散見されます。海外でもノロウイルス感染拡大の報道があり、英国では2025年2月末に新たなノロウイルス株(GII.4)の拡大により、2度目の感染拡大が想像されています。
ノロウイルスは寒冷や乾燥に強く、特に寒さが厳しい日が多く環境中に生き残りやすいため、冬に流行しやすい感染症です。
予防策としては、以下があります。
感染の原因となっている1つにスマートフォンをトイレに持ちこむことで、ウイルスが付着し感染の原因となることが知られています。そのため定期的に消毒することが推奨されています。
しかし、スマートフォンの画面をノロウイルスに有効な次亜塩素酸ナトリウムで拭くことは推奨されていません。そこで、除菌するのであれば、2度拭きをお勧めしています。
1回目の拭きとりは 乾いたペーパータオルやマイクロファイバークロスで汚れを落とす。または、アルコール(70%以上)を含んだ布で一度拭き取ります。
2回目の拭き取りはアルコールを染み込ませた清潔なクロスやペーパータオルでもう一度拭き、しっかり乾燥させます。
ポイントは1回目の除菌でウイルスの量を減らすことが重要です。2回目の拭き取りで、表面に残ったウイルスを除去します。
それよりもお勧めなのは、スマートフォンをトイレに持ち込まないことです。ノロウイルスについては、心配なことがあれば、当クリニックへ受診も是非検討してみてください。
当院で行っているノロウイルスの診断には、主に以下のような検査方法があります。
上記以外の方は保険適用外となり、自己負担での検査になります。
①迅速診断キット 4400円(税込)
②PCR検査 6600円(税込)
となります。
自分も牡蠣が好きなので他人ごとではありません。涙