腸内には100兆個以上の細菌が住んでおり、「腸内フローラ」と呼ばれています。これが乱れると、次のような病気や不調につながることが知られています。 本ブログでは以下についてご説明していきます。
- 消化器系のトラブル:便秘、下痢、過敏性腸症候群、大腸炎
- 免疫・アレルギー:花粉症、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾患の悪化
- メンタル不調:うつ、不安障害(「腸は第二の脳」と呼ばれるほど心と深く関係)
腸内環境のバランスが健康の土台を作っていることが分かります。
腸内細菌を育て、バランスを保つためには「何を食べるか」がとても大切です。
- 発酵食品を摂る
ヨーグルト、納豆、味噌、漬物、キムチなどは「善玉菌」を直接取り入れることができます。
- 食物繊維を多く摂る
腸内細菌のエサになる「プレバイオティクス」。野菜、海藻、きのこ、豆類、果物に多く含まれています。
- オリゴ糖や全粒穀物を取り入れる
玉ねぎ、バナナ、はちみつ、大豆製品などに含まれるオリゴ糖は善玉菌の増殖を助けます。
- 脂質は質を選ぶ
青魚(EPA・DHA)、オリーブオイル、ナッツなどの良質な脂質は腸内環境を安定させます。
- 控えたい食習慣
高脂肪食、加工食品、過剰なアルコールや砂糖は腸内細菌のバランスを乱す要因になります。
- 腸内細菌の多様性を高める
適度な運動をしている人は、善玉菌の種類が増え、腸内フローラのバランスが良いことが分かっています。
- 腸の動きを活発にする
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は腸の蠕動運動を促し、便秘の改善につながります。
- 炎症を抑える効果
筋トレやストレッチも含めた定期的な運動は、腸内の炎症性細菌を減らし、慢性炎症を抑制する可能性があります。
- 注意点
激しすぎる運動(マラソンや過度のトレーニング)は逆に腸のバリア機能を壊し、下痢や消化不良を起こすこともあります。
✓おすすめは「週3〜5回、30分程度の軽〜中強度の運動」。
- 腸内細菌は体内時計と連動している
腸内細菌にも「リズム」があり、睡眠不足や不規則な生活で乱れやすいです。これが代謝異常や肥満のリスクを高めます。
- 睡眠不足で悪玉菌が増える
研究では、短期間の徹夜や睡眠不足で善玉菌が減り、炎症や免疫低下につながることが報告されています。
- メンタルと腸の関係
「腸は第二の脳」と呼ばれるように、睡眠の質が悪いとセロトニン(幸せホルモン)の分泌も減少し、腸内環境がさらに悪化する悪循環になります。
✓目安は「1日7時間前後の質の良い睡眠」。規則正しい睡眠リズムが腸の健康を守ります。
以上をまとめると、腸内細菌の乱れは様々な病気の原因になるといわれており「適度な運動+十分な睡眠+バランスの取れた食事」で腸内環境は整うという事がお分かりいただけると思います。
当院では、お腹や腸に関するさまざまな検査を通じて、患者さまの健康をサポートしています。
「お腹の不調がある」「がん検診で異常を指摘された」「将来のために腸の状態を知りたい」——そんなときはぜひご相談ください。
- 胸やけ、胃もたれ、吐き気、貧血の原因精査に有効です。
- 当院ではできるだけ負担の少ない検査(経口・経鼻・鎮静対応)をご用意しています。
- 便潜血陽性、便秘や下痢、血便などの症状に対応します。
- 大腸ポリープの切除も同時に行え、大腸がん予防につながります。
- 膵臓や胆管など、通常の超音波やCTでは見えにくい部位を詳細に観察できます。
- 肝臓、胆のう、膵臓、腎臓などをリアルタイムに確認できます。
- 痛みや放射線被ばくがなく、安全に繰り返し検査ができます。
- 腸内細菌のバランスを調べることで、便秘や下痢、生活習慣病、アレルギー、メンタル不調などの背景を知ることができます。
- 「腸活」を始めたい方や、自分の腸の状態を知りたい方におすすめです。
- 結果をもとに食事や生活習慣の改善アドバイスも行います。
次のような症状がある方は、早めの受診や検査をおすすめします。
当院では、胃カメラ・大腸カメラ・超音波内視鏡・腹部超音波・腸内フローラ検査を組み合わせ、患者さま一人ひとりに合わせた診療を行っています。
「お腹の不調を放っておかず、気になるときに気軽に相談できる」——そんな身近なクリニックでありたいと考えています。ご不安や検査のご希望がある方は、ぜひお気軽に当院までご相談ください!
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KARADA内科クリニック副院長。日本消化器学会専門医として数多くの臓器を専門とし、逆流性食道炎や便秘などの身近な病気から、各臓器のがんの診療に従事。内視鏡検査は胃と大腸カメラをあわせて年間約2,000件の実績。川崎市立多摩病院にて内視鏡センター副センター長、消化器内科病棟長などを歴任し、現職へ至る。