消化器内科
KARADA内科クリニックの副院長の末谷敬吾です。 大橋純子さんとチバユウスケさんが食道がんで亡くなられたと立て続けに報じられ、消化器がんの怖さを改めて感じました。
食道がんは早期発見できれば、内視鏡で切除することも可能な病気です。では、食道がんはどのような病気か、どうすれば早期発見できるのでしょうか。私見も含めてお話しさせていただきます。
食道は、喉から胃をつなぐ食事の通り道です。食道には消化機能はなく、食事がとおると食道の筋肉が動き、食物を胃に送り出します。食道と胃のつなぎ目には、胃内の食物の逆流を防止する機能があります。 食道は、肺や心臓などに囲まれており、気管の背中側にあります。このため、食道に病気があると背中の痛みを自覚される方もいます。
食道がんには、食道のもともと粘膜である扁平上皮がんと逆流性食道炎によって発生する食道と胃のつなぎ目から食道側に円柱上皮に置換されておこるバレット食道といわれる部位から発生する腺癌があります。
食道がんの症状は初期ではほとんどありません。進行すると食道が狭くなり、ごはんが飲み込みにくくなります。さらに他臓器に浸潤すると声がかすれる、咳、胸部痛などの症状が出ます。
食道がんのリスク因子は、簡潔に言えば、飲酒と喫煙です。また、その中でも、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人は注意が必要です。エピソードとしては、「学生のころからお酒を飲むとすぐ顔を真っ赤にしていたが、飲んでいるうちに飲めるようになった」という方は特に注意してください。
アルコールは肝臓によってアセトアルデヒドに代謝されます。顔が赤くなる方は、もともとアセトアルデヒドという物質を分解できない人です。このアセトアルデヒドという物質が食道がんのリスク因子となります。熱い食事を食べることや緑黄色野菜や果物の摂取不足も危険因子です。
また、食道アカラシアや慢性的な食道炎、上述したバレット食道の患者様もリスクとなります。バレット食道は逆流性食道炎が原因でなりえる食道粘膜の異常です。逆流性食道炎になりやすい方は、油っぽい食事をよく食べられる方、過食・早食いの方、食後すぐに横になる方、肥満の方、喫煙をされる方などがあります。
食道がんは早期では症状がでません。早期で食道がんをみつけるためには、症状がないうちに胃カメラを行うしかありません。上記のリスク因子が当てはまる方は胃カメラを検討してみてください。当院では、みぞおちの痛みや胸やけ、食事がつまるような感じがある方など食道に病気が疑われる方には積極的に胃カメラを行っています。これは、また逆流性食道炎だろうと高を括っていて、早期食道がんをみつけるチャンスを逃したくないからです。
忙しくて、なかなか胃カメラができない方もいらっしゃるかと思いますが、当院は比較的遅くまで胃カメラを受けることも可能です。仕事帰りに胃カメラを行うこともできます。気軽に受診してみてください。
当院では、なるべく患者さんが楽に内視鏡をうけることを目標にしています。患者さんが楽に検査を行うために、①内視鏡専門医による検査、②患者さんに合わせた鎮静剤の使用、③最新の細径内視鏡の使用だと思います。
事実、かなりの患者様にとても楽に検査が受けられたと好評をいただいています。もし、以前、胃カメラがとてもつらかったという方や辛いと聞いているから二の足を踏んでいる方など是非受診してみてください。 最後に大橋純子さんとチバユウスケさんのご冥福をお祈りいたします。
当院の内視鏡検査はご希望の方に対し鎮静剤を使用することで、眠っている間に受けていただけます。
経鼻内視鏡検査や、鎮静剤なしでの内視鏡検査も可能です。
専門医の資格を有する医師が診療することで、迅速な診断と、より正確な治療を提供することを心がけています。
腹痛などの症状は不安につながりますので、是非ご相談ください。
こちらをご確認ください。