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発熱・熱が続く(不明熱)

記事執筆者

KARADA内科クリニック 五反田院

院長 佐藤 昭裕

KARADA内科クリニック 五反田院

院長 佐藤 昭裕

総合診療医として全身の幅広い診療と、感染症専門医としてHIV感染症や結核、マラリアなどの診療に加え、集中治療、院内感染対策、ワクチン診療などに従事。性感染症(性病検査)も専門とする。
「東京都感染症マニュアル2018」や「感染症クイック・リファレンス」などの作成に携わる。

東京医科大学病院感染症科医局長や東京医科大学茨城医療センター感染制御部部長、感染症科科長などを歴任し、現職に至る。

-著書『感染症専門医が普段やっている 感染症自衛マニュアル』
●日本テレビ スッキリに感染症専門家として毎週出演していた他、世界一受けたい授業・ザ!世界仰天ニュースなど出演多数
●Yahoo!ニュース公式コメンテーター

認定資格
  • 医学博士
  • 日本感染症学会専門医・指導医
  • 日本内科学会認定医
  • 日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医
  • 日本感染症学会推薦 ICD(Infection control doctor)
  • 日本エイズ学会認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 臨床研修指導医(厚生労働省)
  • 身体障害者福祉法指定医(免疫機能障害)

発熱や咳などの症状があるのに「コロナ陰性、インフルエンザ陰性」だった時

「発熱、咳、のどの痛み、鼻水等の風邪(感冒)症状があってクリニックや病院に受診したけど、コロナとインフルエンザは陰性でした。でもまだ症状が続くんです。何の病気なんでしょうか?」

このようなこと、ありませんか?コロナ流行後、風邪症状があったらまずはコロナ検査をすることが多くなったと思います。これはコロナの患者数が何といっても一番多く、可能性が高いためです。

また、インフルエンザも最近は「冬だけ」流行するのではなく、春や夏にも小流行を起こすことがしばしばあり、通年疑わしければ検査をするようになってきています。 しかし、「コロナ・インフルエンザ」以外にも風邪症状を引き起こす病原体は数多く存在します。

これまでは、この二つが陰性だった場合に、「風邪ですね」で終わっていたことが多いと思います。しかし近年、マイコプラズマや百日咳といった咳が激しく出てしまう感染症や、手や足、口に発疹がでてしまう手足口病などの感染症が流行しています。これらも適切に診断をつけることで、周囲への感染を防いだり、抗生物質を早期に飲むことで早く治したり(マイコプラズマや百日咳)することができます。

そこで、KARADA内科クリニックでは15種類の病原微生物を一度にまとめて検査をすることができる、「BioFire®SpotFire®(ビオメリュー社)」という検査機器を導入いたしました。

これは「Multiplex-Nested PCR法」という検査法で検査を行います。 この機器ではコロナやインフルエンザの検査と同じように、鼻に綿棒を挿入し検体を採取し、それを検査にかけます。 この機器で検査をすることができるのは、

【ウイルス】

・SARS-CoV-2(新型コロナウイルス) ・季節性コロナウイルス ・インフルエンザA ・インフルエンザA/H1-2009 ・インフルエンザA/H3 ・インフルエンザB ・RSウイルス ・アデノウイルス ・ヒトメタニューモウイルス ・ヒトライノウイルス/エンテロウイルス(手足口病など) ・パラインフルエンザウイルス

【細菌】

・百日咳菌 ・パラ百日咳菌 ・クラミジア ニューモニエ ・マイコプラズマ ニューモニエ

となっています。 診断後に治療方針が変わってくるものは、細菌の4種類です。これは抗生物質が効くことがあるためです。ウイルスについてはインフルエンザ以外は大きく治療方針が変わることはありませんが、周囲への感染予防や重症化予測に貢献できるものと考えます。

注意点としては、この検査は風邪症状がある方全員に行うものではなく、基礎疾患や重症度、年齢などを考慮し、医師が必要と判断した方のみに行うものになっています。検査費用は3割負担で自己負担約5,000円程度かかります。

【ご予約方法】

発熱外来をご予約ください。

▼「コロナ・風邪・インフルエンザの見分け方」についてはこちらの記事も参考にしてください。

3週間以上続く原因不明の熱の場合

不明熱とは、3週間以上続く原因不明の38.5以上の発熱のことをいいます。 原因として、感染症が40%、がんなどの悪性腫瘍が20%、膠原病が20%を占めると言われています。 多くの患者さんは、すでにほかのクリニックや病院である程度の検査をすでに行っていらっしゃいます。 そのため、「見逃しやすい臓器」が原因となっていることもあります。その例としては、骨、副鼻腔、卵巣、前立腺、脾臓などです。 不明熱には丁寧な問診と診察、血液・画像検査がかかせません。 診断がなかなかつかなかった病気を診断するには、やはり時間がかかることもあります 。6か月以上発熱が持続する方もいますが、診断が確定しなかった方々でも、83%が1年以内に解熱したというデータがありますので、あまり重大に考えすぎず、精神的にも追い込まないことが重要となります。

熱や随伴症状の種類によって下記のようなヒントもあります。

1.40℃以上の極端な発熱 熱中症、視床下部(脳の一部)機能不全、髄膜炎、熱帯熱マラリア、副腎腫瘍などを疑います。 2.比較的徐脈 脈拍数熱が上がると、脈拍数も一般的に上がり、39℃のときは脈拍数は110以上になることが多いです。しかし、熱のわりに脈拍数が上がらないことを「比較的徐脈」といい、病気を探し出すヒントとなります。その例としては、腸チフス、サルモネラ症、マイコプラズマ、レジオネラなどの感染症や、薬剤熱、がんなどの熱があります。 3.回帰熱 発熱期間と無熱期間が交互にあらわれるのを回帰熱といいます。ブルセラ症、ホジキン病、肺外結核、マラリア、ライム病などでみられます。 4.消耗熱 最高値と最低値の差が1.5℃以上のことをいいます。腫瘍、腎盂腎炎、胆管炎、結核、リンパ腫や薬剤反応であることが多いです。

原因別としては下記のような病気が考えられます。

感染性:新型コロナウイルス、HIV感染症、結核、心内膜炎、化膿性椎体炎、梅毒、動物原生感染症(ブルセラ症、ライム病など)、マラリア、日本紅斑熱など 悪性腫瘍:リンパ腫、肝転移、腎細胞がん、心房粘液腫など 膠原病:巨細胞動脈炎、全身性エリテマトーデス、血管炎、リウマチ熱、Still病など その他:薬剤、熱中症、悪性高熱、多発性肺塞栓症 

▼「コロナ・風邪・インフルエンザの見分け方」についてはこちらの記事も参考にしてください。

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