- 医学博士
- 日本感染症学会専門医・指導医
- 日本内科学会認定医
- 日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医
- 日本感染症学会推薦 ICD(Infection control doctor)
- 日本エイズ学会認定医
- 日本医師会認定産業医
- 臨床研修指導医(厚生労働省)
- 身体障害者福祉法指定医(免疫機能障害)
もともとコロナウイルスは風邪(かぜ)の原因となる4種類のウイルスが知られていました。
それに加え、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)という病気の原因になる2種類も判明し、さらに2019年末からの世界的流行を引き起こした新しい種類のコロナウイルス感染症です。
このウイルスの名前をSARS-CoV2(サーズ コブ ツー)と名付け、「新型コロナウイルス感染症」、「COVID-19(コヴィッド19)」という病気の名前で呼ばれています。 潜伏期間は1~14日間とされますが、多くは4,5日で発症します。ただ、全く症状が現れない無症候性感染者が数多くいることもこの感染症の特徴です。
これまでの報告からはおよそ3~8割の人が無症状だったという報告もあります。
重症化リスクの高い人についてもわかってきました。
発熱、咳、だるさ、食欲低下、息切れ、痰、筋肉痛、嗅覚障害・味覚障害が主な症状です。
ただ下記の表にある通り、風邪やインフルエンザと症状だけでは見分けがつかないことがほとんどです。
また、重症化してしまう例では、発症から1週間経った後に肺炎症状(せきや痰)が強くなってくることがわかっています。ただ、症状の持続時間が、風邪やインフルエンザに比べると長く、だらだらと1週間程度症状が持続することが多いとされています。
重症化は全体の約20%で起こり、約5%の方が人工呼吸器を装着し、集中治療が必要になってしまいます。
現在検査方法は大きく3種類あります。
①PCR検査 「今コロナに感染しているか?」を調べる検査で、ウイルスの遺伝子を検出するします。 綿棒を鼻に入れてグリグリする、もしくは唾液で検査を行います。
②抗原検査 「今コロナに感染しているか?」を調べる検査で、ウイルスの一部であるタンパク質を検出します。 精度がPCRに比べ低いため、当院では実施しておりません。
③抗体検査 「過去にコロナに感染したか?」を調べる検査です。 「今感染しているか?」にはむいていません。血液検査となります。 こちらにも検査についてまとめてありますので、ご参照ください。
今のところ重症例に対する治療として、抗ウイルス薬であるレムデシビル、抗炎症薬としてデキサメタゾンを使用することが一般化してきました。
ただ、軽症例に対する治療法は特に現状ではありません。
感染経路は飛沫感染、接触感染、エアロゾル感染です。
特に、3密と言われる「密閉・密集・密接」の3要素を持つ空間で広がりやすいとされています。このような「3密空間」にいる感染者は、いない感染者よりも18.7倍他人へ感染させやすいと報告されています。
飛沫感染対策としては、人との距離を可能な限りとること(ソーシャルディスタンス)、距離をとることができない場合はマスクの装着となります。
新型コロナは発症する前から人にウイルスをうつすことがあります。
そのため、症状がない人も室内などの3密環境ではマスクを装着することが推奨されています。
接触感染対策としては、手洗いと環境の消毒となります。
手洗いはどのような感染症に対しても最重要な対策です。流水とせっけんで手を洗うことと、アルコール消毒をするのは、新型コロナには同様の効果がありますので、どちらかでOKです。
環境消毒については、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムだけでなく、市販の中性洗剤でもウイルスを不活化させる効果があったと報告されています。
エアロゾル感染対策は、換気です。可能な限り窓を開放し、外気を取り入れましょう。