- 医学博士
- 日本感染症学会専門医・指導医
- 日本内科学会認定医
- 日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医
- 日本感染症学会推薦 ICD(Infection control doctor)
- 日本エイズ学会認定医
- 日本医師会認定産業医
- 臨床研修指導医(厚生労働省)
- 身体障害者福祉法指定医(免疫機能障害)
高血圧とは、心臓から送り出された血液が、血管内で示す圧力のことです。言い換えると、血管の壁を押す力が「血圧」で、これが一定以上に高い状態が「高血圧」と言うことになります。
可視化されているわけではなく、その指数を代替して血圧計で測定するため、イメージが湧きにくい方が多いかもしれません。
また、血圧を表す指標として2種類あります。一つは、心臓が収縮して血液が送り出されているときの最も高い血圧を「収縮期血圧」(上の血圧)、もう一つが心臓に血液が戻ってきているときの最も低い血圧を「拡張期血圧」(下の血圧)と呼びます。
高血圧を患っている患者さんの多くが、症状がないことがほとんどです。稀に、血圧が高いことで、頭がぼーっとする、あるいは、鼻血が出た、頭痛がするというケースにも遭遇します。確かに関連がある可能性を否定することはできません。
ただし、頭痛があって辛いために血圧が上がることも十分あり得ます。そのため、血圧が高いことが理由なのか結果なのかはっきりしないこともあるでしょう。
では、どの程度血圧が高いと問題となる、つまり、高血圧と定義されるのかと言うことについて言及します。
高血圧の診断についてです。血圧は水銀柱を何ミリ・メートル(mm)押し上げる力があるか、つまり水銀柱の高さ(mmHg)で表します。(Hgは水銀のこと)高血圧の診断基準は、患者さんのそれぞの状態で異なります。
<高血圧治療における目標設定>
このように、一律に「収縮期血圧が140mmHg以上」か「拡張期血圧が90mmHg以上」が高血圧と規定されているわけではありません。患者さんによって、その目標となる数値が異なるため、医師に相談いただければと思います。 ただし、正常血圧と高血圧の間には明らかな境界はなく、少なくとも「収縮期血圧が140mmHg以上」か「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合を一般的に高血圧としています。
どちらか一方が上回っていても高血圧です。 この数字は適当に決められた数字では当然なく、長年の調査によって、この値を超えた状態が持続した高血圧の患者さんに心臓血管系の病気を患いやすいと言うデータがあります。
心臓の肥大(左室肥大)・たんぱく尿・脳卒中・心不全・冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)・腎不全・大動脈瘤・動脈閉塞症など様々な病気を知らず知らずのうちに進行させる、あるいは、その発症リスクを高める病気ですので、注意しながら治療していく必要があると言えるでしょう。
内服(のみ薬)について 薬物療法を始めるタイミングは、年齢、糖尿病などの合併症、臓器障害の有無などを考慮に入れ、医師が総合的に判断します。
後述しますが、当然薬物療法を行いながら、引き続き非薬物療法を継続することが極めて重要です。薬だけ飲んでいれば良いというものでは決してありません。 種類としては次の通り、カルシウム拮抗薬・アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)・アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)・β(ベータ)遮断薬・α(アルファ)1遮断薬・アルドステロン拮抗薬・直接的レニン阻害薬、選択肢が様々あります。組みわせて内服することもしばしばあります。 高血圧の治療は、内服(のみ薬の服用)だけでは決してありません。むしろ、患者さんに色々実践していただく必要がありますし、それがベースにないと薬を服用し続ける必要が生じてしまいます。
KARADA内科クリニックでは、ともに考えながら、何をどのようにしていくべきか、治療を進めていきたいと考えております。 具体的には、
食事や運動ももちろん大事ですが、何をどの程度行えば良いのか、体重という客観的な数値を指標に進めると良いかと思っております。食事も制限し、運動も行なっているけども、体重が下がらないという状況は、このような不摂生が原因で生活習慣病を患った方であれば、もう少し介入に対する工夫が必要かもしれません。 その他、節酒、適度の運動、カリウム/カルシウム/マグネシウム/食物繊維を多くとる、ストレスを避ける、禁煙、低脂肪食などが重要であると言われております。
血圧は1日のうちでも、時間帯や行動パターンによって変動します。
また、寒い時期は上昇するなど、気温の影響も受けます。冬場は血圧が高くなっている方が多いと認識しております。「病院で測定する血圧は正常、でも自宅では高い」というケースにも遭遇します。
これを仮面高血圧と呼びます。
一方で、「病院で測定する血圧は高いが、でも自宅では正常」というケースもしばしば遭遇します。これを白衣高血圧と呼びます。このように状況などによって多くの人は血圧が変動します。だからこそ、年に一度の健康診断で正常血圧だったからといって安心するのではなく、できれば毎日、自宅でも血圧を測定してみましょう。
なお、一日一日の血圧をみて、「今日は上がった」「下がった」と気にしすぎるのはよあまり適切ではないかもしれません。1ヵ月、1年など一定期間の血圧の変化を観察しましょう。 可能であれば、1日2回朝晩で計測してみましょう。1機会原則2回測定し、その平均をとってみましょう。できるだけ長期間測定を続けてみてください。
記録方法は様々ですが、どんな値であってもとりあえず記録を残しておきましょう。血圧手帳に記録することが主流でしたが、最近では血圧計と連動したアプリや血圧を入力できるアプリなど使用している方も診察室でよくお目にかかります。活用してみてください。