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公開:2022.10.21 /
更新:2022.11.11
医療情報

男性で9価HPVワクチンを新規でご希望される方へ

これまでKARADAクリニックでは、9価HPVワクチン(子宮頚がんワクチン)について、国産ワクチンであるシルガード9と、輸入品であるガーダシル9の2種類をご提供していましたが状況が変わってしまいましたのでご説明いたします。

先に整理しますと、

  • 国産4価:救済措置が受けられる
  • 国産9価:今までは救済措置が受けられた→今後は救済措置が受けられない。(ただし、より多くの癌を予防できる)

となります。

9価の輸入HPVワクチンが輸入不可に

国内では、男性へのシルガード9の接種は適応外となっているため、重大な副反応が起きてしまった場合の救済措置が適用されないというデメリットがありました。そのため当院では、海外から中身が全く同じであるガーダシル9を輸入し、接種を行っていました。

輸入代行業者が独自の救済制度を設けており、輸入ワクチンについても重大な副反応が起こってしまったとしても、一定の保証がなされるためです。

しかし今回、輸入代行業者から、「ガーダシル9の輸入が厚労省から認められなくなってしまった」という連絡がありました。

厚労省としては、「成分が同じである製品が国内で流通しているため」ということでした。

当院から厚生労働省へ問題提起へ

当院としては、厚労省、製造元とも連絡を取り合い、下記の問題点を提起いたしました。

  1. 海外では認められている男性への9価ワクチン(シルガード9)が国内では適応外となっている
  2. 適応外使用で接種をしたときには、救済制度が利用できない

男性への適応については、今後進展を待つしかなく、それまでは救済制度の対象にもならない、とのことでした。

今後の当院の対応

これを受けまして、今後当院では下記のように対応させていただきたいと思います。

  • すでに当院で「ガーダシル9」で接種を開始された方は、3回目接種終了まで「ガーダシル9」で接種させていただきます。在庫も確保いたしました。

  • 新規で9価HPVワクチンの接種を開始希望の方は、国産ワクチンである「シルガード9」での接種になります。ただし、適応外使用となりますので、重大な副作用が起こってしまった場合に通常は利用できる救済制度の対象とはなりません。

9価を接種する意義

残念ながら男性の9価接種には救済制度はございません。しかしながら、重篤な副反応は非常に少なく、肛門がんや喉頭がんを予防ができるためを予防できるため接種する意義はあると当院は考えております。

4価にするか、9価にするかを医師とご相談も頂けますのでご来院頂ければと存じます。

なお、シルガード9の接種については、全例国への報告が義務づけられており、ワクチンQダイアリーというサイトへの登録が必須となります。詳細は下記をご覧ください。


https://karada-naika.com/blog/domestic-cervical-cancer-vaccine/

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KARADA内科クリニック院長。医学博士。日本感染症学会専門医。 総合診療医として全身の幅広い診療と、感染症専門医としてHIV感染症や結核、マラリアなどの診療に加え、集中治療、院内感染対策、ワクチン診療などに従事。 「東京都感染症マニュアル2018」や「感染症クイック・リファレンス」などの作成に携わる。 東京医科大学病院感染症科医局長や東京医科大学茨城医療センター感染制御部部長、感染症科科長などを歴任し、現職に至る。 ●著書『感染症専門医が普段やっている 感染症自衛マニュアル』 ●日本テレビ スッキリに感染症専門家として毎週出演中 ●Yahoo!ニュース公式コメンテーター

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