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公開:2021.02.08 /
更新:2023.06.05
医療情報

国産の子宮頚がん(HPV)9価ワクチン:シルガード®について

国産の子宮頚がん(HPV)9価ワクチン:シルガード®について感染症専門医が解説いたします。 ※2021/2/17 コロナワクチンとの接種関連の内容を一部変更しました


KARADA内科クリニック院長の佐藤昭裕です。 2021年2月24日に国産の子宮頚がん(HPV)9価ワクチンであるシルガード®9が発売されます。 発売開始いたしました。正式な名称は「組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン」です。 これまで本邦で9価のHPVワクチンは発売がなかったため、当院では海外ワクチンを輸入して接種を行ってまいりました。 日本では年間約10,000人の女性が子宮頚がんかかり、約2,900人が命を落としています。 ワクチンと健診を合わせることにより、子宮頚がん発症をかなりの数予防することができます。 今後は国産のワクチンが接種可能となりますので、現段階での情報をまとめておきます。

接種対象者

  •   9歳以上の女性
    ※男性は、現時点では接種対象外となっています。 輸入ワクチンであれば接種可能ですので、ご相談ください。 また、発熱がある方や妊婦、授乳中、高齢者も接種対象外となっています。 なお、すでに4価のワクチン(ガーダシル®4)を接種された方でも、新規に接種を開始することは可能です。  

※2022年10月追記

  • 男性の接種に関して
    厚生労働省の輸入ワクチン禁止対応などを踏まえ、接種を開始しました。詳細はこちらをご確認ください。

スケジュール

  3回接種です。 2回目は初回接種から2か月後、3回目は初回接種から6か月後です。 ※何らかの理由で上記スケジュールでうてない方は、2回目を1回目から最低1か月以上、3回目は2回目から最低3カ月以上あけて接種をするようにしてください。  

費用

  30,800円(税込)×3回   なお、このワクチンは任意接種となっていますので、公費負担などはなく、全額自費負担となります。  

※別途、診察料を頂きます。初診料:3,300円※ 再診料:無料

接種にあたり必要なこと

未成年の方

保護者の同意書へのサインが必要となります。どうしても同伴できない場合は、事前に問診票をダウンロードし、記入・サインのうえ当院におこしください。

問診票はこちら

接種条件

 

  • ワクチンQダイアリーへの登録が必須 シルガードを接種するには、医療機関での登録と、ご自身で「ワクチンQダイアリー」というシステムに登録していただく必要があります。 院内での滞在時間短縮のため、事前登録をお願いします。全例登録が義務になっていますので、この登録をしないと接種をすることはできません。何らかの理由で登録ができない際は、輸入ワクチンをご検討ください。
  • シルガードは3回接種が必要です。 他の製品、たとえばGardasil(輸入ワクチン)などをすでに1回接種された方が、2回目からシルガード®へ変更することはできません。

 

有効なウイルスの種類

  HPV 6,11,16,18,31,33,45,52,58  

接種方法

  筋肉内注射  

起こり得る副反応

  他のワクチンと比べ有意に起こりやすい副作用などはありません。下記の通り報告が上がっています。接種したところの局所反応(疼痛、腫脹、)

  • 10%以上:疼痛、腫脹、紅斑
  • 1-10%未満:発熱、掻痒感、出血、熱感、悪心など
  • 1%未満:腹痛、下痢など
  • 頻度不明:倦怠感、疲労、失神、嘔吐、めまい等

 

他のワクチンとの関連

  シルガード®は不活化ワクチンという種類です。 一般的に生ワクチンといわれるワクチン(はしか、風疹、水痘、おたふくなど)を打ったあとは、どんなワクチンでも4週間あける必要があります。 生ワクチン以外のワクチンとは、間隔をあける必要はありません。例えば前日にインフルエンザワクチンを打っていても、問題はありません。 今後新型コロナウイルスのワクチン接種がはじまりますが、新型コロナウイルスワクチンは、「どんな種類のワクチンも、接種前後は2週間間隔をあけましょう」という推奨がアメリカのCDCからでています。 今後変更になる可能性はありますが、コロナワクチンを接種する2週間前後は、シルガードの接種は避けた方がよいでしょう。


当院は渋谷院は渋谷スクランブル交差点目の前、五反田院は五反田駅から徒歩1分、品川駅からも7分の場所にありますので、ご入用の方はご来院ください。 KARADA内科クリニックは土日も診療しております。

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KARADA内科クリニック院長。医学博士。日本感染症学会専門医・指導医。 総合診療医として全身の幅広い診療と、感染症専門医としてHIV感染症や結核、マラリアなどの診療に加え、集中治療、院内感染対策、ワクチン診療などに従事。 「東京都感染症マニュアル2018」や「感染症クイック・リファレンス」などの作成に携わる。 東京医科大学病院感染症科医局長や東京医科大学茨城医療センター感染制御部部長、感染症科科長などを歴任し、現職に至る。 ●日本テレビ スッキリに感染症専門家として毎週出演していた他、世界一受けたい授業・ザ!世界仰天ニュースなど出演多数 ●Yahoo!ニュース公式コメンテーター

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