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妊娠とコロナウイルスに関して


KARADA(からだ)内科クリニック院長の佐藤昭裕です。

妊婦さんは体の重さや吐気などでただでさえ大変な日々を過ごされています。そこに今回の新型コロナウイルス感染症の騒動があり、大変なストレスを抱えていらっしゃると思います。

人一倍感染には注意を払われているとは思われますが、まだまだ社会は妊婦さんへの配慮が十分とは言えず、今後さらなる対策が必要と感じています。

妊娠中に新型コロナウイルス感染症にかかってしまうとどうなるか、続々と報告が上がってきております。

<妊娠と新型コロナウイルスに関する各種報告>

  • 妊婦での重症化や先天性感染のリスクは今のところ確認されておらず、羊水、新生児からのウイルス検出なし(Lancet 2020; 395: 809–15 )(Emerg Infect Dis. 2020; 26)
  • 妊婦から新生児への垂直感染はないだろう(Clin Infect Dis. 2020.)
  • 妊婦から新生児の垂直感染は完全には否定できない。(Acta Obstet Gynecol Scand. 2020 )
    ※2020年4月9日21:27に加筆

 

また、4月7日付で日本産科婦人科学会・日本産婦人科感染症学会からも声明がでており、下記のようなことが書かれています。
→参照先はこちら(クリック)

  • 妊娠中に新型コロナウイルス感染症にかかる率は一般の方と同じです
  • 幸い、妊娠中の重症化率も一般の方と同じかむしろ低い値が報告されています。集中治療室入室率なども、人口当たりになおすとむしろ低めの報告がなされています。

 

このあたりの情報は、現在新型コロナウイルス感染症に感染してしまい、闘病されている妊婦さんにとっては朗報だと思います。

新型コロナウイルスに限らず、妊婦の皆さんはあらゆる感染症にかからないように、日々努力をされていると思います。

そのことが上記のような結果をもたらしている可能性もありますし、また、まだまだ新しいウイルスでわからないこともあり、今後様々な報告があがってくる可能性もあります。

重要なことは、「妊婦は重症化しないから、別に大丈夫」なわけでは決してなく、「人一倍感染には気をつける必要がある」ということを、社会全体が認識することと考えています。

妊婦さんは内服できる薬に限りがあります。解熱薬一つをとっても、慎重に選ぶ必要があります。

また、2009年の新型インフルエンザウイルスが流行したときには、肺炎になってしまった方が重症化しやすいというデータがでました。

これは、赤ちゃんにより横隔膜が肺を圧排してしまい、十分な呼吸スペースが確保できないから、とされています。

呼吸器感染症を起こすウイルスに対しては、このような作用もありますので、注意が必要です(まだ今回の新型コロナウイルス感染症については報告されていません)。

高齢者や基礎疾患のある方は重症化しやすいということは知られていますが、幸い今のところ妊婦さんで「重症化しやすい」ということはないようです(残念ながら重症化してしまった方ももちろんいらっしゃいます)。

ただ、先ほども述べた通り妊婦さんは様々なリスクを抱えています。周囲もそのことを理解し、配慮をすることが必要と思います。

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佐藤 昭裕
KARADA内科クリニック院長。医学博士。日本感染症学会専門医。 総合診療医として全身の幅広い診療と、感染症専門医としてHIV感染症や結核、マラリアなどの診療に加え、集中治療、院内感染対策、ワクチン診療などに従事。 「東京都感染症マニュアル2018」や「感染症クイック・リファレンス」などの作成に携わる。 東京医科大学病院感染症科医局長や東京医科大学茨城医療センター感染制御部部長、感染症科科長などを歴任し、現職に至る。
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