2023年5月8日から感染症法上、新型コロナウイルス感染症は「新型インフルエンザ等感染症」から、季節性インフルエンザと同様の「5類感染症」に移行されます。それに伴いどのようなことが日常生活で変わるのかを解説いたします。
「数字が下がれば下がるほど、簡単・軽症な感染症」ということでは決してありません。HIV感染症や侵襲性肺炎球菌感染症といった、治らない、もしくは重症化して時に死に至る疾患も含まれています。
感染症法では、対象となる感染症ごとに、1類感染症~5類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症が分類されており、5類感染症は、「国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を国民一般や医療関係者に提供・公開していくことによって、発生・まん延を防止すべき感染症」とされています。
これまでは当院のような各自治体が指定する発熱外来を有する限定された医療機関を受診することになっていましたが、今後はより多くの医療機関で検査や診療などができる見込みです。
ただ、クリニックの構造上どうしても感染対策がうまくとれない施設があることも事実です。まずはかかりつけ、もしくは最寄りの医療機関に検査や診療ができるのか聞いてみましょう。
もちろん引き続きKARADA内科クリニックでは、これまで通り発熱、風邪症状、コロナ診療等を継続していきます。
これまでは抗原検査やPCR検査の代金は公費でまかなわれており、窓口で支払う必要があったのは受診料や処方箋発行料などの3,000円~4,000円だけでした。
しかし、5/8以降はこの検査料も支払う必要が出てくるため、大体下記のように窓口で支払う必要が出てきます。
検査方法 | 金額3割負担 |
抗原検査 | 2,500円~3,500円 |
PCR検査 | 4,000円~4,500円 |
抗原検査+PCR検査 | 5,000円~5,500円 |
重症化リスクがあり、抗ウイルス薬(パキロビッドやラゲブリオ等)の適応があるかたは、調剤薬局にて以下のお薬代の負担がございます。
また、最大で月2万円を補助していた入院費については、1万円に減額されます。
これまで重症化リスクの高い方が感染され、自宅療養となったときに行われていた健康観察がなくなります。陽性後に症状が悪化した場合などは、ご自身で医療機関に連絡を取るようにしてください。
これまで通り公費負担で、自己負担はありません。
5類に変更されても、ウイルスの特性が変わるわけではありません。多くの人にとって「ただの風邪」もしくは「辛いけど治る風邪」になってきたと思います。
しかし、高齢者や重症化リスクのある方にとっては、まだまだ風邪やインフルエンザに比べ重症化しやすく、死亡率も高い感染症です。このように感染時の症状や重症化率・死亡率が二分化されたことにより、一律な政策、感染対策は困難となってきました。
感染拡大傾向時にはこれまでの感染対策を継続していただき、感染拡大防止にそれぞれが注意を払っていくことが、高齢者や重症化リスクのある方々を守ることにつながり、医療逼迫を抑えることにつながります。医療逼迫が起こってしまうとこれまで通り、交通事故や手術などの「非コロナ診療」にも支障がでて、健常者の方の負担にもなってしまいます。 KARADA内科クリニックはこれからも引き続きコロナ診療を続けていきますので、症状がでてしまった際などには是非ご相談ください。