- 医学博士
- 日本感染症学会専門医・指導医
- 日本内科学会認定医
- 日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医
- 日本感染症学会推薦 ICD(Infection control doctor)
- 日本エイズ学会認定医
- 日本医師会認定産業医
- 臨床研修指導医(厚生労働省)
- 身体障害者福祉法指定医(免疫機能障害)
頭痛は様々な病気が原因で起こります。「今までに経験したことのないようなひどい頭痛」はクモ膜下出血などの命の危険性がある病気の可能性がありますので、早急にCTが撮影できるような病院を受診する、もしくは救急車を呼ぶなどの対応を取りましょう。そのほかにも、「いつもと違う頭痛」、「咳、労作、性交などで悪化する頭痛」、「発熱や意識混濁を伴う頭痛」などは緊急性のある頭痛のことがありますので、早期の病院受診が望ましいです。
片頭痛でお悩みの方は、ご自身で「あっ、またきそう…」と起こることが予想できるようになっており、頭痛が起こる前に前兆があることが多いです。前兆とは、閃輝暗点(せんきあんてん)という、中央が暗く、周りが明るくギザギザして広がってみえるようになったり、気分が落ち込んだり、怒りやすくなったりします。その後吐気や食欲低下、光や音に過敏になったりします。日常生活に支障をきたしてしまうほどの頭痛で、4~72時間程度続きます。赤ワイン、ストレス、睡眠不足、などが悪化要因となり、睡眠、妊娠、高揚感などが改善因子となります。初めてこのような症状がでた方は、CT検査などを行いますが、基本的には問診と身体診察で診断を行います。片頭痛の治療薬は、症状がでてなるべく早期に内服することで、症状がひどくならないようにできます。一度症状が悪くなってしまってからでは、なかなか良くなるまでに時間がかかってしまいます。
頭頂部、前頭部、側頭部に圧迫されたような痛みが起こり、重く持続的で、数日~数か月続いてしまうこともあります。多くは左右両方に痛みがでます。しかし激しく悪くなることもありません。日常生活に支障がでてしまうことはあまりありません。不安や気分の落ち込み、肩こりなどが増悪因子となります。頭痛薬や筋肉の緊張を和らげるような薬で対応します。
ヒトの顔には副鼻腔という空洞があいています。ウイルスや細菌が鼻や副鼻腔に感染し、風邪のような症状を引き起こし、炎症を引き起こした状態を副鼻腔炎といいます。通称、蓄膿症といわれるものです。風邪をひいて、鼻詰まりがひどくなると顔面をおすと痛かったり、お辞儀をすると頬っぺたのあたりや目の周りが痛くなったりします。顔の空洞が詰まってしまうため、鼻声になります。検査としてはCTやレントゲンを撮ることもありますが、症状と身体所見から診断が可能です。治療としては、まずは鼻の通りを良くする薬やアレルギーの薬を試します。それでも悪化してしまう場合には、抗生物質の適応となることもあります。
中年以降の女性に多く、眼圧が高くなることにより目の周りが痛くなり、徐々に痛みの範囲が広がっていきます。眼球を押してみると固くなっており、圧痛があります。また赤く目が充血することもあります。視力の低下が起こることもありますので、このような症状がでているときには、眼科を受診されることをお勧めいたします。また、以前に眼科で「眼圧が高い」と言われたことがある方は要注意です。
ウイルスや細菌が鼻や皮膚から侵入し、髄膜と言われる脳を包んでいる膜にまで達することで炎症が起こった状態です。歩いたり咳や振動で痛みが増悪する、髄膜刺激徴候というのが見られます。多くで発熱を伴います。また、吐気や光過敏、意識障害を起こすこともあります。診断は髄液穿刺という、腰から針を刺して、脳脊髄液という体液を採取することで行います。細菌性の場合は一刻も早い抗生物質での治療が必要となり、多くの場合入院となります。
中年男性に多く、片側の目の奥に刺すようなズキズキする鋭い痛みがでます。痛みの出ている側に、充血、涙がでて、鼻水、顔面紅潮、発汗を伴う夜間発作が起こります。じっとしていられず、日常生活にも支障の出る痛みです。寝てから数時間後に起ることが多く、1-2時間持続ます。酸素の吸入や点鼻薬などで治療します。
脳にできる癌のことです。朝に痛みが強くなり、吐気や嘔吐を伴うことがあります。起きると改善し、排便や咳、かがみこみで増悪します。同じ部位が痛くなり、持続時間や程度が数か月かけて悪化していきます。CTやMRIを行い、診断をつけます。
日頃から頭痛を自覚する方は、日常的に頭痛薬を内服されています。その頭痛薬自体が頭痛の原因になってしまうことがあります。頻回に頭痛薬を飲んでおり、月に15日以上頭痛がくる方は、もしかしたら「薬物乱用頭痛」かもしれません。一度頭痛薬をやめてみて、頻度や程度が減ったら、そうだった可能性があります。