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肥満症治療薬ウゴービを処方します

ウゴービ(セマグルチド)は、食欲を自然に抑え、体重と生活習慣病の両方の改善をめざす「肥満症」の専門治療薬です。
当院では、ガイドラインに沿った適応チェックと副作用の管理を行い、食事・運動のサポートとあわせて、医学的に妥当な減量を一緒に目指していきます。

ウゴービとは?

About Wegovy

ウゴービ(一般名:セマグルチド)は、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬であり、肥満症治療薬として認可を受けた新しい注射薬です。

主な作用メカニズムとしては、満腹中枢への作用による食欲抑制、胃排出能の調整、代謝改善などがあります。これまで2型糖尿病治療に使われてきたセマグルチドの高用量版を、肥満あるいは関連する生活習慣病の改善目的で使用するものです。

消化器専門医
末谷副院長

欧米の研究では、体重減少効果に加えて、心血管疾患の発症リスクを下げる効果も報告され世界的にも注目されているお薬です

治療効果

Treatment Effects

複数の大規模臨床試験で、ウゴービを使用した患者さんの 平均体重が大きく減少 することが確認されています。食事療法と運動療法のみの場合と比べて、10%以上の体重減少場合によっては15~20%近い減少が期待できると報告されています

肥満と肥満症の
違い

Obesity vs Obesity Disease

「肥満」と「肥満症」は同じではありません。医学的には次のように定義されています。

肥満(体)

格指数(BMI)が
25kg/m²以上 の状態
BMI=体重(kg) ÷ {身長(m)}²

肥満症

肥満に加え、健康障害(合併症)を伴う、またはそのリスクが高い状態。例えば高血圧・脂質異常症・糖尿病・脂肪肝など

つまり、「肥満症」とは単なる体重過多ではなく、肥満に起因する医学的な問題を抱える病態を指します。

この“肥満症”が、ウゴービの治療対象となります。

肥満症の診断に必要な健康障害

料金

Fees

初めての方は以下の①~③の料金が、2回目以降はお薬代となります。

①診察料②検査料について

診察料
(税込)
検査料
(税込)
初めての受診3,300円3,300円
2回目以降不要実施した場合のみ3,300円

③お薬(ウゴービ)料金

1カ月目
(GLP-1注射薬ウゴービ)


0.25mg×4回分

2カ月目
(GLP-1注射薬ウゴービ)


0.5mg×4回分

3カ月目
(GLP-1注射薬ウゴービ)


1.0mg×4回分

4カ月目
(GLP-1注射薬ウゴービ)


1.7mgもしくは2.4mg×4回分

診療スケジュール

Schedule

ウゴービは、体に慣らしながら少しずつ量を
増やしていくお薬です。

安全に効果を出すために、以下のようなスケジュールで治療を進めます。

治療の流れ

1カ月目

体を薬に慣らす期間。副作用をチェックします。

2か月目

徐々に食欲抑制効果が出てきます。

3か月目

体重減少や代謝改善が実感される時期です。

4か月目

効果と副作用を見ながら、最適量まで調整します。

※1週間に1回、ご自身で皮下注射します(お腹・太もも・腕など)。

※増量のタイミングは副作用や体調により前後します。

初回診察: カウンセリング・採血検査・使用説明

2〜5回目: 約4週間ごとに受診(効果と副作用の確認)

安定後: 2〜3か月ごとの診察でも継続可能です。3カ月に一度は血液検査を行います。

体重や代謝の変化は、3〜6か月頃から現れます。

継続治療により、1年で平均10〜15%程度の体重減少が報告されています。

現時点での最大投与期間は68週となっています。

保険で認められている適応を踏まえつつ、当院では以下のような基準を設けて安全・責任を持って処方を行います。

  1. 通常、BMI ≥ 35 kg/m² で高血圧、脂質異常、2型糖尿病のいずれかを有する方、または BMI ≥ 27 kg/m² かつ 2つ以上の肥満関連合併症を有する方 
  2. 合併症管理が整っている方– 高血圧、脂質異常、2型糖尿病など、他の生活習慣病に対して治療・フォローができていること。
  3. 禁忌事項を有さない方18歳以上、妊娠・授乳中でない、重篤な消化器疾患なし、過去の膵炎歴なし等。
  4. 同意がある方– 副作用リスク、治療期間、費用負担などを十分理解されたうえで開始。
  5. 定期フォローが可能な方– 通院ができ、効果および副作用のモニタリングが可能な方。

使用できない方

Not Eligible for Wegovy

  1. BMI が20未満の瘦せ型の方(使用後でも BMI20 未満となれば中止とします)
  2. 20歳以下、75歳以上の方
  3. コントロール不良な精神疾患がある方
  4. 膵炎の既往がある方
  5. 重度の胃腸障害、腎臓・肝機能に障害がある方
  6. 悪性腫瘍の治療中の方
  7. 体重減少により基礎疾患の悪化が想定される方
  8. 甲状腺髄様がんやMEN2という病気の既往がある方
  9. 妊娠中・授乳中の方

副作用について

Side Effects

吐き気・胃のムカつき

一番多い副作用です。食事量を減らしたり、脂っこいものを避けると和らぎます。多くは1~2週間で軽くなります。

食欲の低下

ウゴービが満腹中枢に働くため、自然に食べる量が減ります。無理に食べる必要はありませんが、栄養バランスを意識しましょう。

お腹の張り・便秘・下痢

腸の動きがゆるやかになるため起こることがあります。水分を多めにとることで改善しやすいです。

頭痛・だるさ

食事量が急に減ることで起こることがあります。水分・塩分をしっかり取りましょう。

注射部位の赤み・かゆみ

注射した場所が少し赤くなったり、かゆくなることがありますが、数日で自然に治まります。

上記の副作用は「体が薬に慣れるサイン」であることも多く、ほとんどの方は時間とともに落ち着きます。

少し注意が必要な副作用(まれに起こるもの)

少し注意が必要な副作用(まれに起こるもの)

強い吐き気・嘔吐が続く

量が体に合っていない場合があります。注射量を調整します。

腹痛・背中の痛み

強い痛みが出現した場合は、医師にご相談ください。膵炎、胆嚢炎になる報告はありますが、プラセボ群と比較して同等であり、この薬品が原因とはされていません。

低血糖症状(ふらつき・冷や汗)

糖尿病の薬を併用している方で起こることがあります。食事量・薬量を医師が調整します。

倦怠感・黄疸(皮膚や目が黄色くなる)

肝機能の異常の可能性があります。検査で確認します。

保険適用について

Insurance Coverage

ウゴービは日本国内で「肥満症の治療薬」として承認されており、保険収載されています。 ただし、保険で処方できるには、患者様側、医療機関側のそれぞれに厳しい制限があり実際に保険診療として処方できないケースが多いのが現状です。患者様側には「医師の診断により肥満症と認められた方が対象で、まず、2ヶ月に1度以上の頻度で管理栄養士による栄養指導をうけるなど厳密な生活習慣の改善の指導を受け効果が不十分な方」とされています。導入のハードルが高く当院では、自費診療で処方しています。