2020年7月15日11日にKARADA内科クリニックの佐藤昭裕院長の著書「感染症専門医が普段やっている 感染症自衛マニュアル」がSBクリエイティブより発売されます。
感染症専門医が日常生活の中でおこなっている感染対策を、皆さまの生活の中でどう活用していくか?といった視点の内容になっております。
新型コロナウイルスをはじめ、インフルエンザや溶連菌…その他多くの感染症は本日も、これから先もずっと人間の周りに存在します。
この1冊を読んで頂ければ、一生涯ウイルスから自身を防衛するノウハウが見につく。そんな本を目指しましたのでよろしければご一読頂ければ幸いです。
一部抜粋ではありますが、下記のような内容が書かれております。
以下、本を出版するにあたっての院長の考え・想いを記載させていただきます。
2019年末から2020年にかけ起こった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、人類史に間違いなく記録される「歴史に残る感染症」になってしまいました。これまで人類の歴史は感染症との闘いでもあり、その闘いに勝利したときには人類は大きな進歩を遂げてきました。
1340年代にヨーロッパで大流行したペストは、全世界で7000万人の命を奪いましたが、その終わりにルネサンスという大きな文明・文化的変化が起こりました。
今まさに、そのような転換期を私たちは生きており、これからどのような社会に変化していくかを見守っているのだと思います。
しかし、その闘いの最中は、決して楽なものではなく、目に見えないウイルスからどのように身を守るのか、万が一感染してしまったときにはどのような症状が出て、どのような治療をすればよいのか、数えきれない不安を抱えながら、なるべく普段と変わらない日常を送らなければなりません。
過去のペストやスペイン風邪のような世界的大流行と、今回の新型コロナウイルス感染症を取り巻く環境の大きな違いは、「インターネットの有無」だと思います。
迅速な正確な情報の拡散はもちろん、フェイクニュースやデマもあっという間に拡がりました。
それにより何の意味もない予防法や、検査法についての不確かな推奨、候補予防・治療薬についての誤った認識などが、ただでさえ恐ろしい感染症を、数倍に、いや数十倍恐ろしい存在に変えてしまいました。
「誰も知らない新しい感染症」の専門家は存在しません。
しかし感染症専門医は、過去の事例を通じ、今回の新型コロナウイルス感染症にも応用できる感染予防策を知っています。
免疫が下がっている方や、命の危険性がある方が入院している「病院」という場所は、我々が普段生活をしている「市中・市井」に比べ、少しでも他者への感染リスクを下げる必要があるところです。
この対策を「院内感染対策」と呼び、病院では感染症専門医が中心となり、全医療スタッフが実践している感染予防策です。
そのような予防策を普段の生活にも取り入れることで、新型コロナウイルス感染症の予防に繋がるのではないか、そんな想いをこめて、この本を執筆いたしました。
院内感染対策は病院内で培われてきた「感染症から自分の身を守る方法」と「他者へ感染を拡げない方法」の二本立てで構成されます。
日常生活にそれをどのように適応させればよいのかを一番に考え、新型コロナウイルス感染症はもちろん、インフルエンザや風邪など身近な感染症に対しても適用できる、これからずっと使える、できるだけ具体的かつ実践的な「感染症予防マニュアル」としました。
新型コロナウイルス対策として手洗い、マスク装着、ソーシャルディスタンス、3密を避ける、など様々な対策を一人一人が実践した結果、2019年末までは過去最大規模の流行になると思われていたインフルエンザが、2020年に入ってからパッタリと収まりました。感染症学的にも最も有効だったインフルエンザ対策と言っても過言ではないでしょう。
感染対策の根幹は揺るぐことはなく、基本は今後も変わりません。
この手洗いなどを文化とし、来るべき”new normal”な時代が、ほんの僅かでも感染症の脅威から遠い時代になることを切に願います。