KARADA内科クリニックの佐藤です。本日は、妊婦さん向けのRSV(Respiratory Syncytial Virus)ワクチンについて解説したいと思います。
このワクチンは妊婦さんや赤ちゃんの健康を守るために非常に重要なものです。2024年~日本において妊婦さん向けのRSVワクチン「アブリスボ」が販売されました。
ここでは、RSVワクチンの効果、接種回数、副反応についてわかりやすく解説します。
RSV(呼吸器合胞体ウイルス)は、特に乳幼児や高齢者に重篤な呼吸器感染症を引き起こすウイルスです。乳幼児においては、細気管支炎や肺炎の主な原因となり、場合によっては入院が必要になることもあります。
妊娠中にRSVに感染すると、赤ちゃんにウイルスが移行するリスクがあります。また、出産後にお母さんがRSVに感染している場合、赤ちゃんに感染を広げる可能性が高まります。
妊婦さんがRSVワクチンを接種することで、以下の効果が期待できます。
妊婦用RSVワクチンは通常、妊娠24週から36週の間に1回接種します。特に28~36週ののタイミングで接種することで、胎児への抗体移行が最大化され、生後数カ月間の保護効果が得られます。
ワクチン接種後に起こる可能性のある副反応には以下のようなものがあります:
局所反応: 接種部位の痛み、腫れ、発赤。
全身反応: 発熱、倦怠感、頭痛。
アレルギー反応(稀): 重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)は非常に稀ですが、万が一の場合に備え、クリニックで適切な対応が可能です。
これらの副反応は一般的に軽度で、一時的なものです。不安な点があれば、いつでもご相談ください。
当クリニックでは、妊婦さんの安全を最優先に考え、RSVワクチン接種を実施しています。接種前には必ず医師が問診を行い、妊娠週数や体調を確認します。
金額:29,700円(税込み) ワクチン相談料がこれに追加されます
妊婦用RSVワクチンは、お母さんと赤ちゃんの健康を守るために非常に効果的です。例えば、生後6か月以内にRSV感染で入院するリスクを約80%減少させることができるほか、妊婦さん自身の感染リスクも約50%減少させ、さらに重症RSV感染による集中治療室への入院リスクを約70%減少させることができます。これらのエビデンスは、赤ちゃんをRSV感染から守るための強力な根拠となっています。
なかなか産婦人科で接種可能なクリニックが少なく、感染症専門クリニックとしてアブリスボの接種を開始いたしました。
不明点やご不安な点があれば、当クリニックまでお気軽にお問い合わせください。一緒に赤ちゃんの健やかなスタートを支えましょう。