KARADA内科クリニックの佐藤です。2024年に日本では2種類のRSウイルスワクチンが使用できるようになりました。アブリスボとアレックスビーです。
KARADA内科クリニックではともに接種可能ですが、その違いについてまとめました。大きな違いは、接種対象者です。
RSウイルス(RSV)は、乳幼児や高齢者にとって重症化のリスクがある感染症です。このRSウイルスに対するワクチンとして「アレックスビー」と「アブリスボ」の2種類が日本で承認されました。
しかし、「どちらを接種すればいいの?」「効果や副反応は?」と疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、アレックスビーとアブリスボの違いをわかりやすく解説します。
アレックスビーは、高齢者向けのRSウイルスワクチンです。RSウイルスは高齢者が感染すると肺炎や呼吸不全などの重い症状を引き起こすことがあります。その重症化を防ぐために開発されました。
アブリスボは、高齢者だけでなく妊婦も対象とするRSウイルスワクチンです。妊婦が接種することで、胎盤を通じて赤ちゃんに免疫を与え、生後6か月までのRSウイルス感染を防ぐ効果が期待されます。
アレックスビーとアブリスボはどちらもRSウイルスの感染と重症化を防ぐ効果がありますが、対象者と目的が異なります。
どちらのワクチンも安全性は高いとされていますが、副反応が全くないわけではありません。注射部位の痛み、倦怠感、発熱、頭痛 などがみられることがあります。
どちらも重篤な副反応は少ないと報告されていますが、接種後に異常を感じた場合は医師に相談しましょう。
これまでRSウイルスに対するワクチンはなく、重症化リスクのある乳児には「パリビズマブ」という抗体製剤を使用するしかありませんでした。しかし、パリビズマブは毎月接種が必要で、費用も高額でした。
また、高齢者に関してはRSウイルスの予防策がほとんどなく、感染した場合は対症療法しかありませんでした。
アレックスビーとアブリスボは、どちらもRSウイルスの予防に役立つワクチンですが、
という違いがあります。
高齢者の方はどちらのワクチンを選んでもよいですが、妊婦さんはアブリスボを選ぶことで赤ちゃんを守ることができます。
今後、RSウイルス対策が進むことで、より多くの命が救われることが期待されます。ワクチン接種を検討している方は、医師と相談しながら最適な選択をしてください。