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狂犬病ワクチンについて


KARADA(からだ)内科クリニック院長の佐藤昭裕です。

先週、「国内で14年ぶりに狂犬病発症患者確認」というニュースが報道されました。

誰しも狂犬病という名前は聞いたことがあると思いますが、一度ここで整理しておきたいと思います。

 

狂犬病は犬からの感染だけではない

 

狂犬病は狂犬病ウイルスによって引き起こされる感染症で、狂犬病ウイルスを保有している哺乳類にかまれることで感染を起こします。

発展途上国では90%以上がイヌから、先進国ではキツネやアライグマ、コウモリなどからの感染が多いとされています。
決してイヌなだけではなく、他の哺乳類からも感染する可能性があるということを知っておきましょう。


WHOによるといまだに年間59,000人が亡くなっており、特にインドでは約20,000人が亡くなっています。

世界でもほんの一部の国々(日本、アイスランド、アイルランド、オーストラリアなど)を除いていまだ流行している感染症です。

日本では1950年に狂犬病予防法が施行されてから、国内のイヌにおける狂犬病の発生はなくなったため、それ以降は海外でかまれてしまった人が帰国してから発症するという持ち込み例のみです。

今回の事例でもフィリピンでイヌにかまれた、とのことです。感染経路としてはかまれることで感染するのがメインで、ヒトからヒトへ感染することはありません(過去に2例だけそうかも?という事例は報告されています)。

よって、今回のケースも新型コロナウイルスのように日本国内で拡大してしまう可能性は一切ありませんので、ご心配なく。

 

狂犬病は最も致死率の高い病気としてギネス認定されている


ただ、恐ろしいことに、狂犬病は発症してしまうとほぼ100%死んでしまう感染症で、「最も致死率の高い病気」としてギネス記録にも登録されています。
かまれてしまってから発症するまでの時間、いわゆる潜伏期間は、

30日以内:25%、

30-90日:50%、

90-1年:20%、

1年以上:5%

とされ、最長で8年というものも報告されています。

潜伏期間を経て、創部の異常感覚、かゆみ、痛み、発熱、吐気・嘔吐などが出現します。
その後嚥下障害、興奮、不安、唾液増加などを起こし、呼吸不全、循環不全を起こし死に至ります。

では、発症しないようにするにはどうすればよいのか?一番重要なことは「ワクチン」です。

 

ワクチンの接種スケジュール


狂犬病が流行している地域に旅行や留学、赴任する際には遅くとも出発1か月前に、ワクチン外来を受診してください。

出発までに3回ワクチン接種をする必要があります(1回目接種してから1週間後に2回目の接種、それから3週間後に3回目の接種)。

事前にワクチン接種をするメリットとしては、

  1. 万が一かまれてしまったときに、病院に受診するまでの時間的猶予ができる
  2. かまれた後の処置で病院に行く回数、ワクチンを追加接種する回数を減らすことができる

があげられます。


①については、渡航先が都市部なら、すぐに大きな病院で然るべき処置を受けることができますが、地方や田舎で病院に行くまでに時間がかかってしまう場合や、夜間・休日などにかまれてしまい病院へかかるのに時間がかかってしまう状況では、事前のワクチン接種が非常に重要になってきます。

②については、事前に3回のワクチン接種を行っていれば、かまれた後に2回追加でワクチン接種をするだけでいいのですが、事前にうっていないと5回接種する必要があります。


万が一かまれてしまったときの、「発症したらほぼ100%死んでしまう病気になってしまうかも」、という心理的不安は非常に大きく、かまれてしまった皆さんが「事前にうっておけばよかった」と口をそろえて仰います。

KARADA内科クリニックでは、渡航前の狂犬病ワクチンはもちろん、海外でかまれてしまった後に帰国してからのワクチン接種(曝露後予防)も行っております。


国産ワクチン(ラビピュール®):16,000円(税別)
輸入ワクチン(Verorab®、ChiroRab®):13,000円(税別)


渡航前のワクチンは保険適応外ですが、かまれてしまったあとの曝露後接種は国産ワクチンであれば保険適応にもなります。また、海外旅行保険に加入されていた方は、帰国後の接種でも保険はおりますので、ご相談ください。

五反田という場所柄、空港からのアクセスも良く、月曜日~土曜日夜19時まであいていますので狂犬病ワクチンの接種希望の方はKARADA内科クリニックへご相談ください。東京都品川区五反田、JR五反田駅から徒歩1分です。

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佐藤 昭裕
KARADA内科クリニック院長。医学博士。日本感染症学会専門医。 総合診療医として全身の幅広い診療と、感染症専門医としてHIV感染症や結核、マラリアなどの診療に加え、集中治療、院内感染対策、ワクチン診療などに従事。 「東京都感染症マニュアル2018」や「感染症クイック・リファレンス」などの作成に携わる。 東京医科大学病院感染症科医局長や東京医科大学茨城医療センター感染制御部部長、感染症科科長などを歴任し、現職に至る。 -著書『感染症専門医が普段やっている 感染症自衛マニュアル』(20年7月15日発売予定)
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