休診:土曜午後・日曜祝日
03-3495-0192
MENU

ブログ

Blog

感染症内科をご説明します


KARADA(からだ)内科クリニック院長の佐藤です。

今回は感染症内科についてご紹介をしたいと思います。

感染症はとてもありふれた病気

 

「感染症」と聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか?
最近は「エボラ出血熱がアフリカで流行中」、
「はしか、風疹が日本で増えています」、
「代々木公園でデング熱が発生」などの感染症関連のニュースがでることがありますよね。

感染症とは「微生物が引き起こす病気」です。

微生物とは、細菌やウイルス、カビ(真菌)、寄生虫、原虫などをさし、
生活空間だけでなく、私たちのカラダの中にも非常に多くの種類が存在しています。

感染症というくらいですから、誰かから、もしくはどこかからうつってしまうんですが、
「感染症=伝染病=うつる病気」というすごく恐ろしいイメージを抱いてしまうのは実は誤りです。

 

「風邪」の専門家は感染症医

 

確かにエボラ出血熱や結核など恐ろしい病気もありますが、
身近なものだとインフルエンザや風邪、肺炎、胃腸炎なども感染症です。

このような微生物が引き起こす病気の専門家が、「感染症医」です。

皆さんは風邪をひいてしまった時に病院もしくはクリニックにかかるとしたら、
何科に行くでしょうか?
「内科に決まってるでしょう」という方もいれば、
「症状によっては耳鼻科に行きます」という方もいらっしゃるかもしれません。

では、カラダに湿疹ができてしまったら何科へ行きますか?
おそらく湿疹はみなさん皮膚科へ行かれると思います。
それは湿疹の専門家は皮膚科医だからです。

では、「風邪の専門家」は内科医でしょうか?耳鼻科医でしょうか?

答えは「感染症医」です。

風邪ってありふれた病気ですが、実は医学部で風邪の講義はなく、習わないんです。

みなさんが風邪でクリニックを受診して、みてもらった先生たちは、
風邪の勉強をしきておらず、誰かに教わったこともおそらくないんです。
大体は先輩医師から、なんとなく薬の出し方を聞いて診療している、
ということが多いと思います。

私自身も医学部で風邪について講義を受けたことはなく、
医師になってから感染症医として勉強し、
経験を積んで「風邪の専門家=感染症の専門家」になったんです。

 

感染症の得意領域とは?

 

もう少し感染症医を知っていただくために、感染症医の得意領域をいくつかあげたいと思います。

1.感染症を引き起こす「微生物」の専門家

まずは敵を知らなければ倒すことはできません。
感染症医は細菌やウイルス、カビ、寄生虫などの微生物について熟知しており、
それぞれの特徴などを把握しています。

2.カラダのどこにその微生物がいて、病気を引き起こしているかを判断する「検査・診断」の専門家

微生物はカラダのどこにでも感染を起こせるかというと、そんなことはありません。
微生物によって、カラダのどこが好きで、どこに感染しやすいか、ということが決まっています。

例えば「大腸菌」って聞いたことありますよね?だいちょうきん、
っていうくらいですから大腸にいるんだろうな、と思いますよね。

はい、大腸にもいます。一口に大腸菌と言っても、いろいろな種類の大腸菌がいます。

普通の大腸菌はお腹のなかにいますので、悪さはしません。

しかし、「病原性大腸菌」なんて言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、
この大腸菌は悪いことをして、感染性腸炎という病気を起こすことがあります。

また、大腸菌がお腹の中ではなく、おしっこの中に入ってしまうとやはり悪さをします。
尿道から大腸菌が侵入し、膀胱へ行くと膀胱炎、
さらカラダの奥深くに入り腎臓にまで行ってしまうと
腎盂腎炎という病気を引き起こしてしまいます。

また、健康なヒトの皮膚には表皮ブドウ球菌という菌がいます。

常在菌(じょうざいきん)と言って、
皮膚のバリアのような役割を担っているともいわれ、「いい菌」です。
しかしこの菌がもし病院などで点滴治療を受けた際に
そこから血液中に侵入してしまった際には、
その部分が腫れてしまったり、熱がでてしまったりします。

このように、
この微生物はカラダのどこが好きだから、その部位を診察しよう、検査しよう」と
正しく素早く診断をつけることが得意なんです。

3.微生物を倒す抗生物質や抗ウイルス薬などの「治療薬」の専門家

細菌には抗生物質が効きます(ウイルスに抗生物質は効かないので、抗ウイルス薬を使う必要があります)。
一口に抗生物質といっても、たくさんの種類があります。

どの細菌を倒すためにどの抗生物質を使った方が良いか、
そもそも抗生物質は必要なのか、だけではなく、
どこのカラダの部位・臓器に届きやすいかを知らないと適切に抗生物質を効かせることが出来ません。

細菌では「薬剤耐性菌」といわれる抗生物質が効きにくい細菌の出現により、
複数の抗生物質を組み合わせて治療をすることもあります。

このように、その患者さんに起ってしまった細菌感染症に対し、
どの抗生物質の選択がベストで、どれくらいの量を、
何日間投与すればよいかを判断する専門家とも言えます。

4.微生物から身を守る「予防」の専門家

感染症にかからないことが、何といってもベストです。

ついついヒトは、「現在起こっている問題」にのみ目がいってしまうものですが、
「将来不幸なことや問題が起こらないようにすること」ができれば、
将来の自分に対する良い投資になると思います。

現在医療分野で予防というと、感染症領域が進んでいるように思います。

「健康のために毎日1万歩あるいてます」、
「認知症にならないためにクロスワードパズルやってます」など、
「何とかのために、何かを予防するために何かできることをする」という行動は最近の健康ブームも相まって、
浸透してきていると思います。

感染症分野ではもっと手軽に、予防ができます。

何といってもその代表は予防接種・ワクチンです。

ワクチンというとインフルエンザワクチンと、
風疹・はしかワクチンなど子供のころに接種するものが思い浮かぶと思います。

しかし、世の中にはもっともっと多くのワクチンが存在し、
かからなくて良い無駄な感染症を予防することが出来ます。
その中には日本では使えないけど、世界では一般的に良く使用され、
効果も非常に高く、安全性が担保されているものも多く存在します。

このような選択肢をもっともっとみなさんにご紹介できるのも感染症医です。
予防接種・ワクチン以外にも予防内服といって、
その感染症の治療薬をあらかじめ内服することにより、
その感染症を予防する、という方法もあります。

インフルエンザにもありますし、実はHIV感染症にもあるんです。

 

 

このような得意技は、感染症医ならではであり、
他の領域の医師にとっては苦手な分野です。

そのため大学病院や総合病院に感染症医がいる場合には、
他科の医師から患者さんの相談を非常に多く受けます。このことから感染症医は”Doctor’s doctor“、
つまり「主治医の相談医」と言われています。

我々感染症専門医は患者さんへの治療だけでなく、
他の科の先生に治療のアドバイスをしたりします。

感染症専門医は2019年4月現在で日本に1,494人しかいません。
循環器専門医の数は14,529人ですので、その少なさが良くわかると思います。

さらに当院のようなクリニックに感染症専門医がいることは非常に稀で、
貴重なクリニックですので、みなさまのKARADA(からだ)を支える大きな助けになると思っております。

KARADA(からだ)のことはKARADA(からだ)内科クリニックへ是非ご相談ください。

The following two tabs change content below.
佐藤 昭裕
KARADA内科クリニック院長。医学博士。日本感染症学会専門医。 総合診療医として全身の幅広い診療と、感染症専門医としてHIV感染症や結核、マラリアなどの診療に加え、集中治療、院内感染対策、ワクチン診療などに従事。 「東京都感染症マニュアル2018」や「感染症クイック・リファレンス」などの作成に携わる。 東京医科大学病院感染症科医局長や東京医科大学茨城医療センター感染制御部部長、感染症科科長などを歴任し、現職に至る。 -著書『感染症専門医が普段やっている 感染症自衛マニュアル』(20年7月15日発売予定)
pagetop