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公開:2023.05.04 /
更新:2023.10.02
医療情報

コロナ5類変更後に変わること

2023年5月8日から感染症法上、新型コロナウイルス感染症は「新型インフルエンザ等感染症」から、季節性インフルエンザと同様の「5類感染症」に移行されます。それに伴いどのようなことが日常生活で変わるのかを解説いたします。

そもそも5類感染症とは?

「数字が下がれば下がるほど、簡単・軽症な感染症」ということでは決してありません。HIV感染症や侵襲性肺炎球菌感染症といった、治らない、もしくは重症化して時に死に至る疾患も含まれています。

感染症法では、対象となる感染症ごとに、1類感染症~5類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症が分類されており、5類感染症は、「国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を国民一般や医療関係者に提供・公開していくことによって、発生・まん延を防止すべき感染症」とされています。

医療機関に受診して変わること

どこで検査を受けるか?

これまでは当院のような各自治体が指定する発熱外来を有する限定された医療機関を受診することになっていましたが、今後はより多くの医療機関で検査や診療などができる見込みです。

ただ、クリニックの構造上どうしても感染対策がうまくとれない施設があることも事実です。まずはかかりつけ、もしくは最寄りの医療機関に検査や診療ができるのか聞いてみましょう。

もちろん引き続きKARADA内科クリニックでは、これまで通り発熱、風邪症状、コロナ診療等を継続していきます。

検査料金

これまでは抗原検査やPCR検査の代金は公費でまかなわれており、窓口で支払う必要があったのは受診料や処方箋発行料などの3,000円~4,000円だけでした。

しかし、5/8以降はこの検査料も支払う必要が出てくるため、大体下記のように窓口で支払う必要が出てきます。

検査方法金額3割負担
抗原検査2,500円~3,500円
PCR検査4,000円~4,500円
抗原検査+PCR検査5,000円~5,500円
3割負担、一般のクリニックの場合

治療費 ・入院費

重症化リスクがあり、抗ウイルス薬(パキロビッドやラゲブリオ等)の適応があるかたは、調剤薬局にて以下のお薬代の負担がございます。

  • 1割負担なら3000円
  • 2割負担なら6000円
  • 3割負担なら9000円

また、最大で月2万円を補助していた入院費については、1万円に減額されます。

健康観察

これまで重症化リスクの高い方が感染され、自宅療養となったときに行われていた健康観察がなくなります。陽性後に症状が悪化した場合などは、ご自身で医療機関に連絡を取るようにしてください。

ワクチン接種費用

これまで通り公費負担で、自己負担はありません。

日常生活で変わること

  • 濃厚接触者として特定されることがなくなり、外出自粛も求められません。ご自身の体調を5日目まではよく観察し、症状が出現した際には医療機関を受診するようにしてください。症状がある際には保険診療で検査を受けられますが、症状のない時に検査を希望されるときは自費検査となります。
  • 陽性時の外出自粛・自宅隔離がなくなります。ただ、「発症翌日から5日間、かつ解熱後24時間」は外出を控えるように厚労省からは推奨がでています。
  • マスク装着については、3月13日以降の「マスク着用は個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本」が継続となります。下記のような場面・状況ではマスクの装着は感染対策としてされることをお勧めいたします。
    • ①風邪症状があるとき、特に咳がでるとき
    • ②高齢者や重症化リスクのある方と話しをするとき
    • ③医療機関や高齢者施設を訪れるとき
    • ④重症化リスクの高い方が、感染拡大時に混雑している場所に行くとき
  • 自己検査で陽性時の、陽性者登録はなくなります(全数把握終了)
  • コロナ陽性者数について、全数把握をしなくなります。これまでは毎日陽性者数の発表がありましたが、今後は約5,000の医療機関のみで数をカウントし、毎週金曜日に発表されます。
  • 日本に入国するとき(海外旅行から帰ってきたときなど)に、コロナワクチン接種証明書が不要となります。

5類に変更されても、ウイルスの特性が変わるわけではありません。多くの人にとって「ただの風邪」もしくは「辛いけど治る風邪」になってきたと思います。

しかし、高齢者や重症化リスクのある方にとっては、まだまだ風邪やインフルエンザに比べ重症化しやすく、死亡率も高い感染症です。このように感染時の症状や重症化率・死亡率が二分化されたことにより、一律な政策、感染対策は困難となってきました。

感染拡大傾向時にはこれまでの感染対策を継続していただき、感染拡大防止にそれぞれが注意を払っていくことが、高齢者や重症化リスクのある方々を守ることにつながり、医療逼迫を抑えることにつながります。医療逼迫が起こってしまうとこれまで通り、交通事故や手術などの「非コロナ診療」にも支障がでて、健常者の方の負担にもなってしまいます。 KARADA内科クリニックはこれからも引き続きコロナ診療を続けていきますので、症状がでてしまった際などには是非ご相談ください。

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KARADA内科クリニック院長。医学博士。日本感染症学会専門医・指導医。 総合診療医として全身の幅広い診療と、感染症専門医としてHIV感染症や結核、マラリアなどの診療に加え、集中治療、院内感染対策、ワクチン診療などに従事。 「東京都感染症マニュアル2018」や「感染症クイック・リファレンス」などの作成に携わる。 東京医科大学病院感染症科医局長や東京医科大学茨城医療センター感染制御部部長、感染症科科長などを歴任し、現職に至る。 ●日本テレビ スッキリに感染症専門家として毎週出演していた他、世界一受けたい授業・ザ!世界仰天ニュースなど出演多数 ●Yahoo!ニュース公式コメンテーター

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