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公開:2026.01.08 医療情報

キャップバックス®導入のお知らせ

KARADA内科クリニック渋谷院長の田中です。65歳からの肺炎球菌ワクチン、最新の選び方を解説いたします。 

まず、当院では、成人用21価結合型肺炎球菌ワクチン キャップバックス®(PCV21) の接種を開始いたしました。
65歳の定期接種 ニューモバックス®NP(PPSV23) に「上乗せ」して、より広く備える予防方法の選択が可能になります。

ここでは、65歳以上の方や基礎疾患のある方に向けて、キャップバックス®を中心に、最新の肺炎球菌予防の考え方をわかりやすく整理いたします。 

まず結論 

  • 公費対象の年齢の方は、今年度中に ニューモバックス®NP(PPSV23) を確実に接種してください。 
  • すでにニューモバックス®NPを接種済みの方は、最終接種から1年以上の間隔をあけて キャップバックス®(PCV21) を1回追加することをお勧めいたします(自費:14,000円+相談料3,300円)。 
  • 公費対象外で、これから予防を始める方は、まず キャップバックス®を1回接種(自費)。必要に応じて1年以上あけて ニューモバックス®NP を追加する順番をおすすめいたします。 
  • 当院がキャップバックス®を接種を推奨する理由は、成人で増えている血清型まで広く対応できるためです。 

そもそも肺炎球菌感染症は、誰が予防すべき? 

肺炎球菌は、肺炎や菌血症、髄膜炎の原因となる細菌です。

どなたでも感染し得ますが、65歳以上の方、または年齢に関わらず免疫が下がる疾患・治療(無脾・脾機能低下、慢性腎不全/透析、慢性心不全、慢性肺疾患[COPDなど]、糖尿病、抗がん剤・免疫抑制薬・生物学的製剤・長期ステロイド治療中 など)がある方は、重症化しやすいため、予防接種を前向きにご検討ください。 

一方で、65歳未満かつ基礎疾患のない健康な方に対しては、現時点で一律の接種は推奨されておりません。ご事情がある場合は、可否や接種ワクチンの種類を外来で個別にご相談いただければと思います。 

今年度の「公費(定期接種)」のおさらい 

定期接種(公費)の対象は、原則その年度に65歳になる方です(60〜64歳でも一定の障害等で対象となる場合がございます)。現行の定期接種ワクチンはニューモバックス®NP(PPSV23) になります。 

  • 2025年度(〜2026/3/31)】1960/4/2 〜 1961/4/1 生まれの方 
  • 2026年度(〜2027/3/31)】1961/4/2 〜 1962/4/1 生まれの方 

※ 将来的に プレベナー20®(PCV20) を定期接種へ切り替える方針が公的会議で合意されていますが、施行時期は未公表です。制度は今後も更新されことが予想されるため、適宜情報更新して参ります。

肺炎球菌ワクチンは4種類あります(使い分け説明) 

成人で使用するワクチンは次の4種類です。

  1. キャップバックス®(PCV21)
  2. プレベナー20®(PCV20)
  3. バクニュバンス®(PCV15)
  4. ニューモバックス®NP(PPSV23) 
  • 公費(定期接種)で使えるのは現行ではPPSV23(ニューモバックス®NP)のみです。 
  • キャップバックス®/プレベナー20®/バクニュバンス® は任意接種(自費)になります。 
  • 接種間隔の基本は、PCV系(キャップバックス®等)とPPSV23の間を少なくとも1年空けることです。 
  • キャップバックス®から先に打っても、のちの65歳の公費PPSV23はそのまま利用可能です。 
  • 迷われる場合は、年齢・持病・これまでの接種歴を外来で確認し、最短で無駄のない組み合わせをご提案いたします。KARADA内科クリニックの感染症専門医にご相談ください。 

すでにニューモバックス®NPを接種された方へ 

最終接種から1年以上空いていれば、キャップバックス®(PCV21)を1回追加しましょうPPSV23接種→ 1年以上明けて → PCV21接種 によって、肺炎球菌への予防をより広く実施することができるものと考えます。この2回の接種で肺炎球菌予防は、基本的には完了と考えます。 

よくあるご質問 

Q. ニューモバックス®NPは5年ごとに繰り返しますか? 
A. 現在は原則おすすめしておりません。代わりに、PCV(キャップバックス®など)を1回追加する考え方に変わっています。 

Q. キャップバックス®とプレベナー20®はどう違いますか?どちらを選べばよいでしょうか。 
A. いずれも広く予防できます。当院では、成人で増えている型まで対応できる点からキャップバックス®を第一選択としております。在庫・費用・ご希望に応じてプレベナー20® もお選びいただけます。 

Q. ニューモバックス®NP →(1年以上)→ キャップバックス®まで終えたら完了ですか? 
A. 原則完了です。以後のPPSV23再接種は原則行いません。ただし、強い免疫抑制治療の開始・無脾・長期透析など状況が変わる場合は、外来で再評価いたします。 

Q. 先にキャップバックス®を打つと、65歳の公費(ニューモバックス®NP)に影響しますか? 
A. 影響しません。キャップバックス®接種から1年以上あけて、65歳の公費PPSV23 をご利用いただけます。 

Q. 他のワクチンと同日接種は可能ですか? 
A. 体調良好であれば、インフルエンザ等は同日接種可です。 

料金・ご予約 

  • キャップバックス®追加14,000円(ワクチン代)+相談料 3,300円 
  • ご予約WEB/お電話にて承ります。受診の際に、持病・ワクチン接種歴がわかる資料をご準備ください。 

おわりに 

キャップバックス®の導入により、成人の肺炎球菌対策として、当院では「公費の基本ワクチン(PPSV23)を確実に押さえ、必要に応じてPCVを1本上乗せ」をお勧めしております。対象者の方は、まず年度内のニューモバックス®NPを公費で確実に接種し、その後1年以上あけてキャップバックス®を追加接種をお願いします。 
今後、制度や推奨が更新される可能性もございます。本ブログでも適宜情報をアップデートしてまいりますが、ワクチンの種類も多く接種に迷われる方も多いかと思います。迷われたらどうぞお気軽にKARADA内科クリニックの感染症専門医に是非一度ご相談ください(オンライン診療のご相談も可能です)。 

参考資料(論文・URL) 

Lancet Infect Dis 2024 24 1141–1150 
Clin Infect Dis 2024 79 1366–1374 
Vaccine 2023 41 1042–1049 
Clin Infect Dis 2022 75 390–398 
Vaccine 2021 39 7494–7502 
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001553079.pdf 
https://ipd-information.com/adult/overview/ 
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/73/wr/mm7335a3.htm 
https://www.msdconnect.jp/products/capvaxive/disease/ipd_serotype/ 
https://www.pfizerpro.jp/medicine/prevenar20 

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KARADA内科クリニック渋谷 院長 【資格】医学博士、日本感染症学会専門医、日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医、日本内科学会認定総合内科専門医、日本医師会認定産業医、臨床研修指導医(厚生労働省) 東京だけではなく、北海道のオーホーツク海を目の前にしながらも総合内科医としてその地域に根ざした診療に従事してきた。また、内科の専門として感染症専門医としてもこれまで一般的な感染症診療のみならず、ワクチン接種や性感染症やHIV感染症などの診療にも取り組んできた。 また、研究者として、医療現場の日常に潜む倫理的な課題にも向き合いながら学会や論文で発信を続けている。

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