KARADA(からだ)内科クリニック院長の佐藤昭裕です。
妊婦さんは体の重さや吐気などでただでさえ大変な日々を過ごされています。そこに今回の新型コロナウイルス感染症の騒動があり、大変なストレスを抱えていらっしゃると思います。
人一倍感染には注意を払われているとは思われますが、まだまだ社会は妊婦さんへの配慮が十分とは言えず、今後さらなる対策が必要と感じています。
妊娠中に新型コロナウイルス感染症にかかってしまうとどうなるか、続々と報告が上がってきております。
また、4月7日付で日本産科婦人科学会・日本産婦人科感染症学会からも声明がでており、下記のようなことが書かれています。
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このあたりの情報は、現在新型コロナウイルス感染症に感染してしまい、闘病されている妊婦さんにとっては朗報だと思います。
新型コロナウイルスに限らず、妊婦の皆さんはあらゆる感染症にかからないように、日々努力をされていると思います。
そのことが上記のような結果をもたらしている可能性もありますし、また、まだまだ新しいウイルスでわからないこともあり、今後様々な報告があがってくる可能性もあります。
重要なことは、「妊婦は重症化しないから、別に大丈夫」なわけでは決してなく、「人一倍感染には気をつける必要がある」ということを、社会全体が認識することと考えています。
妊婦さんは内服できる薬に限りがあります。解熱薬一つをとっても、慎重に選ぶ必要があります。
また、2009年の新型インフルエンザウイルスが流行したときには、肺炎になってしまった方が重症化しやすいというデータがでました。
これは、赤ちゃんにより横隔膜が肺を圧排してしまい、十分な呼吸スペースが確保できないから、とされています。
呼吸器感染症を起こすウイルスに対しては、このような作用もありますので、注意が必要です(まだ今回の新型コロナウイルス感染症については報告されていません)。
高齢者や基礎疾患のある方は重症化しやすいということは知られていますが、幸い今のところ妊婦さんで「重症化しやすい」ということはないようです(残念ながら重症化してしまった方ももちろんいらっしゃいます)。
ただ、先ほども述べた通り妊婦さんは様々なリスクを抱えています。周囲もそのことを理解し、配慮をすることが必要と思います。