KARADA(カラダ)内科クリニック院長の佐藤です。
中国の武漢から発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、中国全土、そして日本にまで拡がりをみせ、1/28現在国内で7名の感染者が確認されました。ウイルスは人から人へ感染し、変異による感染力の増大も予想されています。このフェーズに入ってきて、私たちの関心は「日本に入ってきて流行するのか」から、「どうやったら感染せず予防できるか」ということにうつってきました。
下記の通りです。
テレビなどでも上記の対策をあげていることは多いと思いますが、ここでは特に4番目の手洗い・手指衛生について話しておきたいと思います。その前に感染経路の話をしておきます。
まず、新型コロナウイルスの感染経路は、飛沫感染と接触感染と言われています。
この2つの感染経路以外には、空気感染というものがあります。空気感染はマスクをしていたとしても、同じ空間にいるだけで感染してしまうリスクがある病気です。例えば、同じ電車の車両に乗っているだけで、端と端にいたとしても感染してしまう恐れがあるというものです。この感染経路をとる感染症は、はしか(麻疹)、水ぼうそう(水痘)、結核の3種類のみです。
飛沫感染とは?
飛沫感染の「飛沫」、とは咳やくしゃみ、会話などによってできる直径5μm以上の大きさの粒子のことをいいます。ウイルスは自身単独で動くことはできず、この飛沫に乗って周囲の人の元へ移動します。つまり、咳やくしゃみなどででるしぶきをブロックすればよいので、「マスクを装着しましょう」という予防法になるわけです。また、後述する接触感染にもマスクは一役買ってくれます。マスクをつけることで、手で鼻や口に触れる機会を減らすためです。
接触感染とは?
接触感染とは、手もしくは手が触れた物を介してウイルスが移動し、そこに触れてしまった手で自身の口や目を触り、粘膜から感染してしまうことをいいます。よって、感染者が触れた物品を触ってしまっているかもしれないので、「こまめに手を洗う」という予防法になるわけです。
1/28に報告された、今後も国内で発生しうる、「中国に行ってない人が発症した」事例の感染経路を考えてみます。あくまで想定しうる感染経路です。
上記のストーリーをみてもわかるように、マスクを装着していれば、感染リスクは下がりました。さらに手を洗えるとよいのですが、バスの中では困難です。そこで登場するのが、速乾性アルコール手指衛生剤です。
当院の診察室や受付、待合室などにも設置をしていますが、泡やジェルを手に取り、15-30秒くらいで手に揉みこむものです。病院内の感染対策として、流水と石鹸でジャブジャブ手を洗うことを手洗い、アルコールを揉みこむことを手指衛生と呼びますが、その使い分けは、「目に見えるよごれがあるかどうか」です。
目に見える汚れが手についているときには流水で手を洗い、ついていない時はアルコールを揉みこむことが推奨されています。
電車のつり革やバスの手すり、エレベーターのボタンなど、「目に見える汚れはつかないけど、ウイルスや細菌はついている」場所を触った後にはアルコールによる手指衛生が一番です。効果も流水と石鹸で手を洗うのに比べ、5-50倍もウイルスや殺菌を消毒する効果が高いとされています。
持ち運びできるアルコール手指衛生剤は、ドラッグストアやネットショッピングで簡単に購入できます。
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通勤や通学などで公共交通機関を利用する場合、特に不特定多数の人が触る場所(電車のつり革やバスの手すり、エスカレーターの持ち手、エレベーターのボタン、券売機、タッチパネルなど)に触れがちです。その都度手指衛生を行うことが理想的ですが、「電車を降りたとき」、「バスを降りたとき」、「レストランを出たとき」など、自分の中で手指衛生を行うタイミングを決め、可能な限りリスクを低減させることが重要です。
ぜひ、この時期にできる、効果の高い予防法ですので、習慣化してみてはいかがでしょうか?