KARADA(カラダ)内科クリニック院長の佐藤です。
まだ日中は暑いですが、朝晩はだいぶ涼しくなってきましたね。
みなさん、秋を満喫されていますか?
〇〇の秋、とよくいいますが、みなさんは何の秋ですか?
食欲?行楽?芸術?
医療業界は、風邪の秋です。
季節の変わり目のこの時期に、体調を崩して風邪をひいてしまう方が増えてきます。
ところで、「風邪」の定義をご存知ですか? 実はあまり知られていません。
というのも、実は医学部の授業にさえ、「風邪の講義」は存在しません。
病院やクリニックに行って、
医師から「風邪ですね。お薬出しておきます。」と
言われた経験のある方は多いと思います。
その医師、風邪の講義を受けたことありません!(多分)。
実際に医師になってから、
先輩の医師から「風邪の時はこの薬とこの薬をだせばいいんだ」と何となく習って、
それを思い出していることがほとんどです。
しかし、「風邪の診断」は非常に重要で、
その理由は「不要な抗生物質を飲まなくてすむから」だと考えます。
風邪はそもそもウイルス感染がほとんどで、
対細菌用の薬である抗生物質は無効です。
患者さんにとっては不要な薬を飲まされることは、
百害あって一利なしです。
そのため医師は、「抗生物質が不要な風邪と、抗生物質の必要な他の病気」を
しっかり区別することが重要になってきます。
抗生物質の専門家である感染症専門医はここの区別が非常に得意です。
さて、話はもどり、風邪の定義です。
「咳・鼻汁・咽頭痛の3つを同時に同程度訴える患者さん」、
これが定義です。
つまり、咳もあって、鼻水もでて、のども痛ければ風邪です。
この3つの症状は、どれかが強く出ることもあります。
例えばのどがすごく痛いけど、咳も鼻水も出ることがあると思います。
この状態は風邪の中の、「急性咽頭炎」という状態になります。
ちなみにインフルエンザは日本語で「流行性感冒」と言っていました。
感冒とは風邪のことですので、風邪の一種ととらえてOKです。
本日皆さんに知っていただきたいことは下記二点です。
・ウイルス疾患である風邪に抗生物質は不要です
・「咳、鼻水、のどの痛みが同程度ある」は風邪です
もし風邪でお悩みであれば、当院までご相談ください。
こちらにも風邪の解説をしております。