- 医学博士
- 日本感染症学会専門医・指導医
- 日本内科学会認定医
- 日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医
- 日本感染症学会推薦 ICD(Infection control doctor)
- 日本エイズ学会認定医
- 日本医師会認定産業医
- 臨床研修指導医(厚生労働省)
- 身体障害者福祉法指定医(免疫機能障害)
インフルエンザは「流行性感冒(流感)」といわれていました。その言葉通り、風邪の一種です。風邪には特効薬がなく、自分自身の力で治すしか方法がありませんが、インフルエンザには抗インフルエンザ薬があり、その点では風邪と異なります。
・インフルエンザ迅速キット:鼻に綿棒を挿入し、鼻汁をとります。それを検査にかけ、10-15分程度で結果が判明します。
・流行時期に高熱、鼻水、咳、咽頭痛のようなインフルエンザ症状がある場合にはインフルエンザの可能性が高いです。また、咽頭所見からも感染を疑うことが出来ます。 ※迅速キットは症状出現後、24-48時間で最も鋭敏にインフルエンザを診断します。症状出現から24時間以内は検査をしても陰性になってしまうことがあります。
感度とは「インフルエンザの方を「陽性」と正しく判定する割合」のことです。例えば、感度99%とは、インフルエンザと診断された100人のうち99人を「陽性」と正しく判定できたということです。 また、特異度とは「インフルエンザでない方を「陰性」と正しく判定する割合」のことです。特異度89%とは、インフルエンザにかかっていない100人のうち89人を「陰性」と正しく判断できたということです。
・タミフル®やイナビル®といった抗インフルエンザ薬の処方を行います。現在抗インフルエンザ薬は複数種類存在しますので、患者さんごとに適切な薬を処方いたします。
・漢方薬の中には、抗インフルエンザ薬と同等の効果を示すものもあります。「インフルエンザに漢方が効く」、しっかりした研究結果も存在します。症状によってその漢方を処方いたします。 ※抗インフルエンザ薬は早く内服したほうが効果がしっかりでます。症状出現時には早めの受診をお勧めします。
・ワクチン インフルエンザワクチンは、「かからないようになる」、「重症化を防ぐ」、「かかっても軽症ですむようにする」効果があります。毎年必ず接種するようにしましょう。
・手洗い・マスク 最も重要な予防法です。咳が出るときにはマスクを装着しましょう。また、咳やくしゃみを手で抑えたときには必ず手を洗うようにしましょう。アルコールでの手指衛生も非常に有効です。家や職場で是非利用しましょう。
・睡眠をよくとる 全体の睡眠時間の2~8%(睡眠時間が8時間とすると10分~40分) 眠れなかっただけで、かぜに5倍かかりやすくなるというデータがあります。しっかり睡眠はとるようにしましょう。
Q. いつから学校に行ける?
図1にあるように、インフルエンザは感染してから、症状がでる前日から、症状出現後7日間はウイルスを周囲に排出してしまう可能性があります。このウイルス排出期間は個人差があり、抗インフルエンザ薬を内服したか、どの時期に内服したか、免疫状態はどうか、などで変わってきます。 このことから、学校保健安全法では、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」は自宅療養と決められています。
Q.いつから出勤できる?
仕事をされている方は、そんなに休めない、と思われると思います。当院では、「解熱後2日」は必ず自宅療養をしていただき、もしまだ咳が残っている場合にはマスク着用をして出勤されることを推奨いたします。さらに、アルコール製剤を使用した手指衛生もされると、なお良いです。