- 医学博士
- 日本感染症学会専門医・指導医
- 日本内科学会認定医
- 日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医
- 日本感染症学会推薦 ICD(Infection control doctor)
- 日本エイズ学会認定医
- 日本医師会認定産業医
- 臨床研修指導医(厚生労働省)
- 身体障害者福祉法指定医(免疫機能障害)
20〜40代の女性に多い、1ヶ月に1〜2回程度のペースで周期的に頭痛が起きる病気です。
原因ははっきりと解明されていませんが、脳の血管を取り巻く三叉神経の炎症が関わっていると考えられています。
女性に多く、生理前から生理中にかけて頭痛が起こりがちであるため、女性ホルモンとの関係性も疑われていますが、男性にも起こります。
こめかみから目のあたりが、ズキズキと心臓の動きに合わせるようなリズムで痛むのが特徴です。
吐き気や嘔吐を伴い、光・音・気圧や温度の変化に対して敏感になることも多いです。
よく、「目を開けているのが辛い」「大きな声で話されると辛い」とおっしゃる方が多いです。
場合によっては、痛みが強く、日常生活に支障を来たしていることもしばしばお見受けします。
何か画像の検査や血液の検査で病気の診断していくわけではありません。
病歴、つまり病気の経過を担当医がきちっと伺って診断していくことになります。
もちろん、その他の原因を除外する目的で、頭部MRIやCTを撮影していただくこともあります。この場合、当院では他院のご紹介、あるいは、近隣の施設で撮影し結果を当院で確認することも可能です。
なお、片頭痛の診断に寄与する基準を紹介します。”POUND criteria”というものです。
上記の5つの質問のうち4つ以上を満たすと片頭痛と診断して良いとも言われている基準です。
拍動性については痛みが強くなると、非拍動性(どくどくしない頭痛)になるものもあると言われています。
また、両側性に出ることも40%程度あるとも言われております。その他診断に関係する情報として、月経や天気、ストレス、前兆を伴う、急性発症(急に生じる痛み)、家族歴がある、休日に起こる(ストレス開放時)など様々な要素とも関連がありえます。
皆様のお話をよく伺わせていただきながら、担当医も診断していくことになります。ぜひご協力いただければ幸いです。
痛みが起こる前、つまり、痛くなりそうであるという前兆を察知した時点での痛み止めの内服を推奨しております。
片頭痛は繰り返す方がほとんどですので、徐々にその意味を理解することができ、痛みを悪化せず生活に支障を来すことがないように内服をしていただいております。
具体的には、ロキソプロフェン、トリプタン製剤(いくつか種類があります)、アセトアミノフェンという薬を提案します。
妊婦の方や心臓にご病気のある方などは処方内容に注意が必要であり、お伝えいただければ幸いです。
また、嘔気や嘔吐でお困りの方も、それに対して内服加療をすることも可能ですので、相談いただければ幸いです。
月4回以上ある時(目安です)や、薬物依存性頭痛(痛み止めの内服が過度に多い)場合には、予防薬をお勧めします。
これも複数の種類の予防薬がありますので、担当医と相談しながら、内服薬を決めていきましょう。様々なご提案ができると思います。
選択のポイントとして、高血圧・うつ病の既往や妊娠の可能性などが重要な情報になりますので該当する場合には教えていただけると大変助かります。
発作の頻度が高い場合には、節酒、睡眠時間をしっかり確保するといった基本的な生活習慣を正すことも重要であると言われております。
皆様がどのような生活を送りながらどのようなタイミングで頭痛に困っているのか、この病気において生活様式と共に病気の発症やその原因を探ることは大変重要です。
したがって、頭痛日記というものをつけていただくことがあるかもしれません。診断や治療に大変重要な資料になりますのでご協力いただければ幸いです。
監修:KARADA内科クリニック医師 田中雅之